北部テーマパーク「分かりづらい」 いまだ明かされぬ詳細に懸念や疑問も 沖縄

 【北部】本島北部地域のテーマパーク建設に向けた起工式が7日に執り行われ、2025年前後の開業に向け大きな節目を迎えた。計画を進めるジャパンエンターテイメント(JE、名護市)などは近隣住民向けの説明会を開催しているが、具体的な内容はまだ明かされていない。予定地近くの今帰仁村呉我山区や名護市の中山区などの住民からは事業を歓迎する声が上がる一方で、具体的な情報がないため地域経済への波及効果について「分かりづらい」との指摘も聞こえる。交通渋滞を懸念する声もある。  
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 「完成を楽しみにしている。ただ詳細が分からない」。呉我山区の女性は戸惑いを隠せない。予定地周辺で農業に従事する区民もいるという。「車の往来が増え農業に影響が出るかもしれない。区に高齢者が多いので、雇用が生まれても実際に働く人はいるのか」と話した。  
 中山区の川野圭輔区長は「地域活性化につながることを期待しているが、早く中身が知りたい」と語る。周辺地域に住む男性は「興味はあるが、地元住民が潤うことにつながるのか」と疑問を口にした。  
(長嶺晃太朗)
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