
昨季のV・ファーレン長崎はハイボールに弱く、空中戦に競り負けてゴールネットを揺らされるパターンが全失点の半数を占めていた。反省を踏まえ、強化部はセンターバックをてこ入れ。さらに下部組織出身で主力だったDF江川湧清がJ1・G大阪に引き抜かれたため、新加入選手が先発に名を連ねることが決定的となっている。
中央ではじき返せる高さを重視して補強。この結果、新加入を含めたセンターバック6人全員が180センチを超えて数字上は大型化に成功した。
一方、ビルドアップはゼロに近い状態からのスタートとなるため、連係面の向上が必須。昨季は最終ラインから中盤や前線にパスがつながらず、昇格した2チームに比べると攻撃回数や展開力が乏しかった。強化部の竹村栄哉テクニカルダイレクターは「J1に昇格して定着するための人選をした」と説明。最終ラインにゲームメークの質も求めている。

そんな中、ディフェンスリーダー候補として期待されているのがJ1広島から迎え入れた184センチのDF今津佑太(27)。トレーニングマッチでも最終ラインを統率し、安定感をもたらしながらも果敢に縦パスを通す積極性が光った。前所属先では出場機会が限られたため「ここで結果を出すしかない」と新天地で再起を期している。
昨季J1の清水から獲得したのは、チーム6人目のブラジル人となるDFヴァウド(30)。故障の影響で昨季はリーグ戦8試合出場にとどまったが、過去3年間をJ1で戦い、70試合に出場した経験が魅力だ。セットプレーで強さを発揮し、7ゴールを記録するなど得点能力も持ち合わせている。
187センチのDF岡野洵(25)は足元の技術に定評がある。千葉の下部組織で2種登録され、U-18、20日本代表に選出された経歴を持つ。昨季はJ2町田で20試合に出場。「攻撃面でもスイッチを入れるパスや得点を見てほしい」と意気込む。法大から入団した182センチのルーキーDF白井陽貴(22)は昨年3月に特別指定選手に認定され、8試合に出場。すでにチームになじんでいる。

GKは各年代の日本代表に名を連ねた波多野豪(24)がFC東京から期限付き移籍してきた。チーム歴代最長身198センチはピッチ内外で存在感抜群。「昇格にはチーム平均失点を1以下にしないといけない」と昨季54失点からの大幅減を約束する。