韓国紙「日本が欧州で水素タービン市場開拓...23兆円規模」 韓国も国産化進むがリスクも

地球温暖化とエネルギー危機により各国政府が石油やガスをはじめとする化石燃料依存度を下げるために努力しているなか、日本の水素タービン技術が注目されている。

(参考記事:韓国貿易協会「水素技術の国際特許、欧州が28%、日本が24%保有」「韓国は初期段階」

6日、韓国のスカイデイリーはNIKKEIAsiaの1日報道を引用し、日本の川崎重工業が欧州で水素を燃料に発電するガスタービンの市場を開拓すると報じた。

※スカイデイリー当該記事:https://skyedaily.com/news/news_view.html?ID=181517

川崎重工業は、欧州の中小規模タービン事業に集中し、2030年までに欧州市場シェアを20%に高めることを目指している。

川崎重工業のガスタービン/同社資料「水素社会実現に向けて」キャプション

欧州は炭素削減の動きで水素活用エネルギー需要が高いと判断しただめだ。 中規模タービンの電力生産量は3万kwで、約6万世帯の電力需要を満たすことができる。

環境問題に加え、昨年2月にロシアのウクライナ侵攻で欧州はロシア産化石燃料の依存度を下げるために努力していると日経は付け加えた。

川崎重工業によると、既存のガスインフラを水素施設に改造すればコストも大幅に削減できる。

水素タービンは他に、米ゼネラルエレクトリック、独シーメンス、三菱重工業など、ガスタービン市場を席巻してきたグローバルメーカーなども開発・実用化を進めている。

日本経済産業省によると、グローバル水素タービン市場は2050年に23兆円規模に成長すると見込まれている。

一方、韓国ではこれまで、既存のガスタービンも全て海外からの輸入に依存してきたことから、ガスタービンの国産化計画が進められ、2030年にガスタービン産業で世界4強になるとのビジョンが掲げられた。それに伴い、2040年までに大型(300MW級)水素電気タービンを開発することも目標として同時に掲げられた。

※韓国産業省のタービン開発目標案発表文:https://www.korea.kr/news/pressReleaseView.do?newsId=156424014

斗山重工業が開発した韓国産第1号ガスタービン/斗山重工業

韓国のエナジー新聞(1月6日付)によると、企業別ではSKガスや斗山重工業などが既存のガスタービンおよび水素タービンの開発を推進しており、昨年3月には待望の国産ガスタービン第1号(270MW級)が斗山重工業によって開発された。韓国内の電力会社などとも協力し、水素タービン開発のためのMOUなども結んでいる。

一方でエナジー新聞は「まだ実証されていない国産ガスタービンを発電会社が適用することによるリスクも潜在する」と指摘している。

※エナジー新聞当該記事:https://skyedaily.com/news/news_view.html?ID=181517

電気新聞によると、韓国政府は2028年から水素とアンモニア混焼の商用発電を計画していると伝えられる。

※電気新聞当該記事:https://www.electimes.com/news/articleView.html?idxno=315095

以上 コリアエコノミクス編集部

(参考記事:韓国市民団体「熱供給公社は日本戦犯企業のガスタービンを買うな」 公社「韓国で生産がなく…」
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(参考記事:韓国紙「1兆円投じた日本のジェット旅客機開発が頓挫」…韓国は開発可能なのか?
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