【75歳以上シニアとの同居が増加】令和の「二世帯住宅」事情を解説

実家の建て替え時に選択肢の一つになるのが二世帯住宅※。2月10日は二世帯住宅の日であるのをご存じですか? “独居老人”と呼ばれるひとり暮らしの高齢者が増えている近年、二世帯同居の割合はどうなっているのでしょうか。今回は「二世帯住宅」という言葉を生んだ旭化成ホームズのデータをもとにご紹介していきます。

※親世帯・子世帯がよりよい住まい方について考えるきっかけになることを願い、旭化成ホームズは2015年に一般社団法人日本記念日協会より正式に認定を受け、2月10日を「二世帯住宅の日」と制定。

親世代は75歳以上シニアが当たり前に? 二世帯同居の親・子世帯ともに年齢が高まる

2020年「国勢調査」によると、前回の2015年と比較して60歳以降で人口が大きく増えたのは70代前半で、「国立社会保障・人口問題研究所」の2025年の予測では75歳以上が増加するとみられています。

75歳以上の人口増加で懸念されているのが「2025年問題」です。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり超高齢化社会になることによって、医療・介護現場のひっ迫と社会保障費の増大が問題となっています。

同じく増加するといわれているのが50代ですが、30~44歳の人口は減少が続く見込みです。これらの事から、かつては二世帯住宅は親世帯60代・子世帯30代が典型的でしたが、これからの時代は親世帯75歳以上・子世帯50代以上が多くなると予想されています。

75歳以上シニアとの二世帯同居は大幅アップ

実際に旭化成ホームズの顧客データから親子同居について見ると、2015年から2022年の5年間で75歳以上の親と同居を予定している割合は21%アップ(2015年は26%、2022年は47%)とわかりました。国勢調査の結果と整合する傾向となっています。

二世帯同居を促す一つが「テレワーク」

コロナ禍以降、東京23区の人口の転入超過は減り、2021年には転出超過となりました。しかし、2022年には転入超過に戻っています。しかし、世代別に見ると、子育て期の子世帯世代の30~44歳は逆に転出超過であり、23区外の東京圏が転入超過であること、また同時に0~14歳でも同様の傾向がみられます。つまり、子育て世代の都心から郊外への転出傾向は続いていると考えられるのです。

子世帯世代となる30歳~44歳の都心からの転出傾向が加速し始めたのはコロナ禍が起きた2020年から。東京23区のコロナ禍前(2019年)と後(2022年)の転入転出の状況を比較したところ、前者は60人の転入超過であったのに対し、後者は22,405人の転出超過であり、そのうち9割強が都下及び神奈川、埼玉、千葉の東京圏へ転出していました。

都心からの転出を促す理由として考えられるのがコロナ禍で普及したテレワークです。

内閣府が実施した「新型コロナウィルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(2022年6月)」によると、コロナ禍で急増したテレワークは定着する傾向となっていて、なかでも東京23区では約5割がテレワークを実施していることが判明。さらに、国土交通省の「テレワーク人口実態調査(2021年11月)」では、テレワーク継続意向者の84%が自宅で実施したいと回答していることから、テレワークは定着したと考えられます。

このままテレワークが定着していけば、テレワークが可能な近郊や郊外へと住まいを求める傾向が続くと推測されます。これは同時に、都市近郊に住む親世帯との同居という選択肢が増えていく可能性を示唆しているとも言えるのです。

同居できなくても安心できるシニア向け住宅

「子世帯と一緒に住らすのもありだけど、自由に自分のペースで暮らしたい」「子どもの自宅はマンション。私が住む部屋はないけど近くに暮らしたい」」。そのようなシニアに最適なのが子世帯の近くに暮らす近居です。

近居に欠かせないのがシニア向け住宅。シニアの住まいといえば老人ホームが一昔前の常識でしたが、老人ホームはど介護が必要なシニアに最適な住まいです。健康に自信があり自立して生活できるアクティブシニアには適しません。

アクティブシニアに人気なのが、旭化成ホームズが手がけるシニア向け安心賃貸住宅「へーベルVillage」です。

一般的な賃貸住宅との違いはシニアが安心して暮らせるハードとソフトが揃っていること。

ハードは緊急通報ボタン・ライフリズムセンサーなどの設備、ソフトは社会福祉士などの相談員による月1回の定期訪問などの訪問サービスです。いざという時でも、24時間365日対応の緊急通報システムを導入しているので、緊急ボタンを押せばガードマンが駆けつけます。

二世帯同居は難しいから近居が良いというシニアにおすすめの住まいです。興味がある人はぜひ一度内見してみてはいかがでしょうか。

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