「応援の気持ち」を形に 串本でロケットモニュメント制作

串本町から打ち上げられるロケットをモチーフにしたモニュメントを制作する子どもら(和歌山県串本町西向で)

 和歌山県串本町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられるロケット「KAIROS(カイロス)」をモチーフにしたモニュメントを作る催しが4日、同町であった。住民有志らでつくる「和歌山ロケット応援団」が主催し、親子連れを中心に33人が参加。2月末ごろとしていた初号機の発射は夏ごろに延期になったが、参加者は引き続き応援する気持ちを込めて制作に取り組んでいた。

 和歌山ロケット応援団は、昨年10月に串本町と那智勝浦町の住民や事業者の有志が参加して結成し、串本町西向の旧古座分庁舎2階にある古座サテライトオフィスにも事務所を構えるコンサルティング企業「USPジャパン」(本社・東京都)が事務局を担当。これまで初号機発射の際の公式見学場となる田原海水浴場での清掃活動などに取り組んでいる。

 打ち上がったカイロスをモチーフにしたモニュメントの大きさは縦約140センチ、幅約90センチ。USPジャパンのスタッフで、昨年春に名古屋芸術大学(愛知県)を卒業した朱蟹あかにさん(24)がデザイン。制作には同町にある山形材木店と森山建材、岡本建具店、新宮市の新宮木材協同組合が協力し、材料を提供したり、作業を手伝ったりした。

 一般から参加者を募って開いた制作の催しは旧古座分庁舎であり、串本町や那智勝浦町、新宮市、古座川町などから親子連れらが参加。参加者は紀州材をのこぎりで切ったり、木片にやすりをかけたりした後、自分の名前を書いてモニュメントの土台に接着剤で貼り付けていった。

 後日、和歌山ロケット応援団のメンバーも紀南地方の浜に打ち上げられたシーグラスを使って「KAIROS」という文字を記した板を制作するなどし、モニュメントはほぼ完成。今後仕上げの作業をした上で串本町に寄贈し、旧古座分庁舎2階の壁に掲示する計画という。

 家族5人で参加した古座川町三尾川小学校3年の田堀まつりさん(9)は「モニュメントが完成したらどんな感じになるのかなと思いながら木を貼った。打ち上げが延びたのは残念だけど、楽しみにしているので頑張ってほしい」と話した。

 ロケット応援団事務局の八代奈穂子さん(62)は「初号機の打ち上げは延びたが、引き続いて応援していくという気持ちを形にしたいと思って開催した。各地から多くの方が参加していただき、皆さんが打ち上げを楽しみにしてくれていることを実感した。3月下旬にお披露目の予定なので楽しみにしていただけたらうれしい」と話していた。

ほぼ完成したロケットのモニュメント

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