「あれは凶器だ」フェニックス名物16番パー3から“缶ビール”が消えた

2022年大会16番で清掃に追われるスタッフ

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(7日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

TPCスコッツデールの16番(パー3)は熱狂の舞台として名高い。外周を取り囲む巨大スタンドは2万人以上を収容。期間中、のべ数十万人を飲み込むトーナメントの名物ホールでは今年、缶での飲料提供が行われないという。

きっかけは昨年大会の名場面にあった。3日目にサム・ライダー、最終日にカルロス・オルティス(メキシコ)がホールインワンを達成すると、大ギャラリーが喜びと興奮のあまり観客席から空き缶やペットボトルを次々と投げ込む事態に。場内は騒然となった。

大会側は場内の選手やファンがケガをする危険性を懸念。チェアマンのパット・ウィリアムス氏はゴルフウィークの取材に「あれは凶器だ」と話し、「すべてのアルコール、ビールやソーダについてはすべてカップで提供します。水やコーラといったものはこれまで通りプラスチックのカップ(ペットボトル)で」と説明した。

ただし、移し替えるカップは「16」のロゴが入った大会のオリジナルで、「マスターズ」で提供されるものと同じ製造会社で同サイズという。「選手とファンを守るためにプラスチックにしました。これならば、(カップを)投げても前の列の人にぶつけて、怒らせてしまうだけでしょう。なにせ、リサイクルできることが素晴らしい」とウィリアムス氏。

冠スポンサーのウェイストマネジメント社はゴミ収集・廃棄物処理を手掛けている。

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