新たに南米2カ国を追加した、最初の『TCRワールドツアー』カレンダー発表。最終戦はマカオか

 今季2023年より、WTCR世界ツーリングカー・カップの後継としてグローバルに開催される各シリーズより、ビッグイベントを抽出してシリーズ展開するという新機軸を打ち出した新生『TCRワールドツアー』が、改めてのシリーズ構成と全9戦のスケジュールを発表。南米大陸からウルグアイとアルゼンチンでのイベントが正式に確認され、シーズンフィナーレの役割をマカオが担うことも想定されている。

 すでに発表済みのTCRヨーロッパ・シリーズと、イタリアのヴァレルンガを含む4つのイベントがシーズン開幕からの欧州ラウンドを担当したあと、このTCRワールドツアーは8月に連続して南米でのレースを開催。8月18〜20日にはウルグアイのエル・ピナール、アウトドロモ・ビクトル・ボラト・ファビーニでの初戦を終えると、バック・トゥ・バックでアルゼンチンはサンルイスに向かい、いずれもTCRサウスアメリカ・シリーズのレギュラーと競うことになる。

「TCRワールドツアーの南米大陸戦の契約が成立したことをうれしく思っている。TCRサウスアメリカのプロモーターと、ウルグアイのAUVO(自動車連盟)、そしてサンルイス州政府の支援に感謝している」と語るのは、TCRを統括するWSC代表マルチェロ・ロッティ。

「何度も強調していることだが、この地域ではツーリングカー競技の人気が非常に高く、またTCRサウスアメリカが最初の2シーズンで世界で最も競争力のあるTCRシリーズのひとつとしての地位を確立したため、新たなTCRワールドツアーをそこに持ち込みたいと強く望んでいたんだ」

 そのロッティの祝辞を受け、TCRサウスアメリカでシリーズの代表を務めるフェデリコ・プンテリも「こうして正式な日程を発表できたことを光栄に思う」と述べた。

直近には、TCRイタリアからヴァレルンガ戦が選出されている

「2023年にふたたび、最高峰の国際レースをウルグアイとアルゼンチンにもたらすことを誇りに思っている」と続けたプンテリ代表。

「これはTCRが世界的に支持されていること、そしてこのモータースポーツシリーズのコンセプトが成長し続けていることを明確に示している。最高のツーリングカードライバーたちが、TCRサウスアメリカのフィールドとトラックを共有することを心から楽しみにしているよ」

 そのTCRサウスアメリカでは、今季注目の新型『トヨタ・カローラGRS TCR』がデビューを果たし、ホンダ、トヨタの日本車勢に加え、クプラ、アウディ、ヒョンデ、プジョー、アルファロメオ、そして中国のリンク&コーを含む8社のマニュファクチャラーがエントリーリストに名を連ねる。

「我々はこれを最終決定するためにすべての関係者と非常に懸命に取り組んできた。特に最高のツーリングカーレースをもたらすことに寄せられた信頼に対して、ウルグアイのAUVO、その会長であるフリオ・マグリオーネ、およびサンルイス州政府に感謝したい」とプンテリ代表。

 発表されたカレンダーのうち、まだ未確認の会場が2カ所残されており、最終戦は現在のTCRアジアとチャイナに組み込まれるマカオのギアレースが担当するものと見られているが、11月の3連戦となるオーストラリア・バサースト前週の開催地はまだ確認されておらず。このスロットには現実的なロジスティクスの観点からも、オーストラリア国内での2戦目が有力視されている。

南米からはウルグアイのエル・ピナールと、アルゼンチンのサンルイスが追加されている

■2023年TCRワールドツアー暫定カレンダー

ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 4月28〜30日 ポルトガル/ポルティマオ(TCRヨーロッパ)
Rd.2 5月26〜28日 ベルギー/スパ・フランコルシャン(TCRヨーロッパ)
Rd.3 6月9〜11日 イタリア/ヴァレルンガ(TCRイタリア)
Rd.4 6月16〜18日 ハンガリー/ハンガロリンク(TCRヨーロッパ)
Rd.5 8月18〜20日 ウルグアイ/エル・ピナール(TCRサウスアメリカ)
Rd.6 8月25〜27日 アルゼンチン/サンルイス(TCRサウスアメリカ)
Rd.7 11月3〜5日 オーストラリア※/TBC
Rd.8 11月10〜12日 オーストラリア/バサースト(TCRオーストラリア)
Rd.9 11月17〜19日 中国※/マカオ
※/開催地未承認

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