都市の再開発に人口増加!注目しておきたい全国トップの成長都市「福岡」のいま

ここ最近のニュースを見ていると、福岡市では次々と新たな商業施設、オフィスビルがオープンする記事を目にします。実際に、街中を歩いていても、これまでの街並みが変わっていくことを体感できるほどのスピード感で建設が進んでいます。そのように変化が続いている福岡について開発、人口、今後の不動産市場の視点からその姿を考えます。

開発が続き成長していくこれからの福岡市

今年、2023年3月にいよいよ福岡市営地下鉄七隈線が博多駅まで延伸となります。
新たな地下鉄の駅「櫛田神社前駅」もできますし、さらに便利になることで福岡の賑わいに注目が集まってきています。

福岡都心部の再開発プロジェクトである天神ビッグバン、博多コネクティッドによる変化も大きく、開発が終了して完成する物件も増えてきて、福岡市内中心部の景色は変わり始めています。

すでに2019年に開業した「都ホテル博多」、「THE BLOSSOM HAKATA Premier」、2021年には「天神ビジネスセンター」、昨年2022年には博多スターレーンの跡地に複合オフィスビルの「博多イーストテラス」が誕生しています。

その動きは続いており、2023年1月には「福岡大名ガーデンシティ」が誕生(本格開業は6月を予定)、4月には博多駅前にオフィスビルの「九勧末広通りビル」、8月には中洲に「ザ ロイヤルパーク キャンバス福岡中洲」などの施設が続々とオープンしていく予定です。

この動きは建設費の視点でも大きく、なんと国内21都市の2014年〜2019年の着工建築物工事費(予定額)の伸び率で福岡市が全国トップとなるほど。この期間で福岡市内には29,797棟が建ち、その工事費は2兆3,000億円ほどにものぼります。

さらに仙台市の調査によると、東京、大阪、中京の三大都市圏を除いた7つの政令市の中で、コロナ後のオフィス移転、増設先として福岡がトップとなっているとのことでした。

実際、福岡市では、2021年に企業誘致数が過去最多となっており、コロナ禍での東京一極集中からのリスク分散先として注目されていることもその後押し要因の一つとなっているようです。

人口増加中で、住みたい人も多い都市として全国トップの福岡市

福岡市は都市としての成長に加えて、現在も人口は伸び続けています。

『第21回国勢調査』(2020年10月1日実施)において、福岡市の人口は前回から74,680人増え、4.9%増の1,613,361人となりました。
これは政令指定都市の人口の伸びでいくと、人口増加数、増加率ともに首位です。

この影響は周辺地域にも影響していて、福岡市を中心に近郊9市7町を含めた福岡都市圏の人口も今後10年で、現在の259.5万人から、265万人へとさらなる増加が見込まれています。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口においても、福岡市は2035年まで増加がされると予想されており、その人口増加率では、なんと東京23区を超えています。

人口増加中の福岡市に加えて、その周辺都市には九州各県からの流入も続いていて、福岡は九州の中心地として今後も人が集まる環境にあるといえます。

さらに「ねとらぼ」集計のアンケート調査においても、「住んでみたい政令指定都市」と「おいしいお店が多いと思う政令指定都市」の2項目で福岡市が一位に輝いています。
実際の人口の増加状況に加えて、調査においても人気がでていることで、福岡にいいイメージを持つ方が多いことが伺えますね。

不動産市場から考える福岡市の価値

開発が続き、人口も増えていく福岡市ですが、不動産市場としてはどうなのでしょうか?
非常に沢山の開発が進んでいるものの、そこから先がどうなっていくのかは気になるところです。

不動産の価値の基準となる地価の中の「公示地価」・「基準地価」において、福岡は高い上昇率を見せています。

まず、基準地価でみてみると、福岡県内の地価は6〜7年連続(全用途、商業地は7年連続、住宅地と工業地は6年連続)で上昇しています。
都道府県別の全用途における地価上昇率では、3.1%増となった福岡県が2年連続での首位となっています。
その中でも、商業地の地価では、福岡県が上昇率4.0%増で全国トップとなりました。

その要因は福岡市のオフィス需要やマンション需要だと言われています。

商業地の地価変動率ベスト10のうち7ヶ所を福岡市が占めた公示地価の調査結果を見てみると、博多区の祇園町、博多駅南、博多駅東、中央区の渡辺通り、清川、天神、東区の名島がランクインしています。
オフィス街となっているエリア、もしくはマンションの建設が進むエリアを中心に地価が上昇している結果が見えてきます。

福岡の不動産市場に詳しい、佐々木不動産鑑定士事務所の佐々木さんによると、現在の福岡のオフィス空室率は4%で、賃料も比較的高めとなっており、オフィス市場は好況。
マンションも次々に物件が増えてきていますが、同時に人口増加もしている福岡では、マンション市場も引き続き好況といえるとのこと。

不動産市場の目線からも福岡の価値は上昇しているといえます。

物件の開発、人口増加、地価の上昇と成長傾向をみせている福岡市、これからの動向にも注目していきたいところです。

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