2月のコロナ破たん、8日時点ですでに100件超え 累計は5459件に【2月8日16:00現在】

 2月8日は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が10件判明、全国で累計5,197件(倒産5,028件、弁護士一任・準備中169件)となった。
 件数は2022年に入って増勢を強め、9月(206件)、10月(226件)、11月(207件)に続き、12月も243件が判明し、2022年は前年(1,718件)から3割増の2,282件にのぼった。2023年に入っても1月は月間最多を更新する245件、2月も8日までに109件が判明し高水準で推移している。
 倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計262件判明した。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で5,459件に達した。
 国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.152%で1,000社に1社が破たんした計算となる。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.270%、次いで福岡県の0.207%、大阪府の0.204%、宮城県の0.200%までが0.2%台、一方最低は宮崎県の0.063%で地域によってばらつきもみられる。
 今後、コロナ関連融資の元金据え置き期間や利子補給期間の終了を控え資金需要が増すなか、返済原資とコストアップの双方を吸収できるだけの業績回復が求められている。
 一方、1月10日には民間ゼロ・ゼロ融資の借り換え対応の新たな借換保証制度がスタートした。申請には、具体的な経営行動計画書の作成、金融機関の伴走支援が求められる。
 企業支援は私的整理メニューの拡充や事業再構築支援など、再生への取り組みに軸足を移しつつある。こうした支援策がコロナ禍で体力を消耗した企業を下支えすることができるか、今後の動向が注目される。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 100件以上は15都道府県に ~

 都道府県別では、東京都が1,073件と全体の2割強(構成比20.6%)を占め、突出している。以下、大阪府531件、愛知県259件、福岡県258件、神奈川県227件、兵庫県216件、北海道207件、埼玉県186件、千葉県142件、静岡県134件、宮城県と京都府が各115件、広島県111件、茨城県110件、栃木県104件と続く。
 8日は全国で10件判明した。10~20件未満が2県、20~50件未満が18県、50件~100件未満が12府県、100件以上は15都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 最多の飲⾷業が817件、建設業、アパレル関連が続く ~

 業種別では、コロナ禍での来店客の減少に加え、食材や光熱費高騰の負担も重い飲食業が最多で821件に及ぶ。営業制限が続いた地域を中心に、経営体力の消耗やあきらめによる飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性も高まっている。
 次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が602件に達した。小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の378件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が221件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が166件と、上位を占めている。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した5,151件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が最多の1,951件(構成比37.8%)、次いで1億円以上5億円未満が1,651件(同32.0%)、5千万円以上1億円未満が1,013件(同19.6%)、5億円以上10億円未満が271件(同5.2%)、10億円以上が265件(同5.1%)の順。
 負債1億円未満が2,964件(同57.5%)と半数以上を占める。一方、100億円以上の大型破たんも13件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した5,028件の形態別では、破産が4,534件(構成比90.1%)で最多。次いで民事再生法と取引停止処分が各178件(同3.5%)、特別清算が116件、内整理が17件、会社更生法が5件と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の9割超を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
 先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した5,015件の従業員数の合計は4万6,740人にのぼった。平均すると1社あたり約9人となる。
 5,015件の内訳では従業員5人未満が2,917件(構成比58.1%)と、半数以上を占めた。次いで、5人以上10人未満が959件(同19.1%)、10人以上20人未満が615件(同12.2%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 また、従業員50人以上の破たんは2021年上半期(1-6月)で17件、下半期(7-12月)で15件。2022年は上半期で24件に増加し、下半期も30件判明。2023年は現時点で7件判明している。

※企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


0208未満

‌               (負債1,000万円未満含む)                  

0208コロナ率

‌               (都道府県別のコロナ破たん率、負債1,000万円未満含む)                      

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