「グローバルな往来始まり世界のインフルも」関西、九州でインフルエンザ3年ぶり流行拡大 静岡県内も今後の動向注視

この冬、関西や九州を中心に3年ぶりにインフルエンザの流行が拡大してきました。今後の感染状況は拡大するのか、収束に向かうのか、静岡県が注視しています。

<伊豆川洋輔記者>

「こちらの検査センターでは、新型コロナウイルスとインフルエンザの感染を一度で判定するPCR検査が行われています」

静岡市葵区にある民間のPCR検査センターです。2022年12月から、PCR検査による新型コロナウイルスとインフルエンザの同時検査を始めました。1月、同時検査を受けたのは366人で、このうち18人がインフルエンザに感染していたと確認されました。

<R&O衛生検査所静岡 森田弘所長>

「1月の実績を見ますと、最初の2週間で(14日まで)陽性者18人が確認された。15日以降は、インフルエンザの陽性者はいなかった。18名の陽性者の中で、インフルエンザも、新型コロナも陽性だった方が2人いた」

1月の後半はインフルエンザの陽性者がいなかったといいます。

厚生労働省の発表では、静岡県内では1月29日までの1週間で、1医療機関当たりの患者数は3.01人。全国で4番目に少ない状況です。一方、全国では、沖縄県が41.23人と大きな流行が起きていて、「警報レベル」の水準とされる30人を3週連続で超えています。さらに、16の府県で「注意報レベル」の10人を超えていて、九州や関西を中心にインフルエンザの感染者が増えています。3年ぶりにインフルエンザの流行が拡大してきました。

<静岡県健康福祉部 後藤幹生参事>

「2022年の秋ぐらいから、本格的に外国人の方の入国や日本の方が外国に行くなど、グローバルな往来が始まって、世界のインフルエンザが入ってくることになったからだと思う」

静岡県は2月10日に発表される県内の流行状況を注視していく考えで、今後、大きな流行を起こさないために改めて、感染症対策の徹底を呼びかけています。

<静岡県健康福祉部 後藤幹生参事>

「インフルエンザは例年、西から東に広がるというのが過去もそうだったので、それがこっちのほうに広がってくるのかどうか。マスクの対策をできる方は、インフルエンザの流行が収まるまでは、コロナも含めて両方の対策になりますので、ぜひお願いしたいと思います」

静岡県内では、新型コロナの感染者が減ってきていて、インフルエンザもいまは、それほど多くはないことから、県は、同時流行の心配はないとみています。インフルエンザは新型コロナよりも感染力が弱く、これまでの感染症の予防策が有効であることから、対策を続けてほしいと呼びかけています。

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