市長や行政へ厳しい意見で大筋合意 熱海土石流百条委で最終報告書案を協議 「希望する人が帰還できるように」逢初川改修の祈願祭も

2021年7月、静岡県熱海市伊豆山で起きた土石流災害で、被害を受けた逢初川を改修する工事が本格的に始まります。2月8日には、安全祈願が行われました。

8日は、工事を担当する静岡県熱海土木事務所の職員をはじめ、地元関係者30人が集まり、安全祈願を執り行いました。この工事は、被災した逢初川の護岸の改修を目的に、静岡県が行うもので、これまでに地質調査や測量を終え、本格的な改修に着手します。

静岡県によりますと、今回の工事は、市道伊豆山神社線から河口までの650mを予定していて、これまで1.5mだった川幅を3.4mに広げるほか、河川の勾配を緩くしたり、コンクリート構造にするなど、30年に1度降るとされる大雨にも対応できるよう整備するということです。

<熱海土木事務所 杉本文和所長>

「復興復旧には、現地に入っている状況がないと、みなさんの機運も沈んでしまうかと思うので、やっとこの機会になり安心しております」

<熱海市 斉藤栄市長>

「目標としている夏の終わりに警戒区域が解除できるよう、希望される方が帰還できるよう、静岡県や関係機関と連携して進めていきたい」

この改修工事は、2024年度末までの完成を目指すとしています。

一方、土石流災害が起きた原因について、調査を続けているのが百条委員会です。8日、熱海市議会の小委員会で最終報告書案が協議され、市の行政対応が適切に行われていなかったことに対し、市長や行政に厳しい意見を盛り込んだ内容で大筋の合意が得られたということです。3月9日に開く特別委員会で採決されたのち、3月15日の本会議で議決され、市長に手渡される予定です。

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