【詳報】「『異常な性癖』…潜在的な意識の中から出た」“重鎮”浜松市議が謝罪 トランスジェンダー支援団体が質問状

無意識で言ってしまったと認めました。浜松市議会議長を3回務めたベテラン市議が「異常な性癖」と発言した問題で2月8日、本人が会見を開き、性的マイノリティに対する差別的な発言だったと謝罪しました。

<栁川樹一郎浜松市議>

「深く心よりお詫び申し上げる次第でございます。申し訳ありませんでした」

8日、記者会見を開き、謝罪したのは自民党浜松の重鎮栁川樹一郎市議(72)です。柳川市議は2月2日に行われた浜松市議会の市民文教委員会で、中学校教諭の男が男性が暮らすアパートに侵入した疑いで逮捕された事件をめぐり、「異常な性癖だ。普通なら女性のアパートに侵入するのに」と発言し、性的マイノリティに対する差別的な発言をしてしまったと認めました。

<栁川樹一郎浜松市議>

「本来は『異常行動』といおうとしてたんです。それが『異常行動』が、『異常な性癖』に変わってしまった。それが潜在的な意識の中から出たということです」

では、なぜ、このような発言をしてしまったのか。栁川市議は、こう釈明しました。

<栁川樹一郎浜松市議>

「私の人生観。72歳になった所ですが、そういう風な中で当初の若い時代、それから思いとしては、まぁ長い間の潜在意識っていうか、まだまだ、LGBTQというようなことが時代の中にない時の思い」

栁川市議は、性的マイノリティを非難する意図は全くないと猛省していますが、無意識のうちに差別的な発言をしてしまうようでは、果たして市民の代表が務まるのか、疑問が沸きます。

この問題発言を受け、8日午後、トランスジェンダーを支援する団体などが栁川市議宛てに公開質問状を提出しました。質問状では、「異常な性癖」と発言したのは事実か、教員試験の面接で性的指向を調査項目に入れることはできないかと発言したのは事実か、など11項目で、回答を求めています。

<キュベック 久米泰代さん>

「栁川議員個人のLGBTQに対する否定的な気持ちがあるのは、もう致し方ないと思ったんですけど、それが議員さんとなるとまた話が変わってくるので、自分の立場をもう少し考えてもらいたい」

また、差別される当事者は生死にかかわる問題で、誠意をもって回答してほしいと訴えました。

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