未納のままの国民年金…納めると年金はいくら増える?

おはようございます。ファイナンシャルプランナーの稲村優貴子です。

今日のテーマは、国民年金保険料

学生の頃に払わなかった年金保険料を、ほったらかしにしていませんか?

ファイナンシャルプランナーをしていると、国民年金保険料の未納分を払った方がいいのかとご相談を受けることがよくあります。

年金保険料は、約2年分となると結構な金額。納めることによって、最終的なメリットがどのくらいになるのか分かれば、納めるべきかどうかの判断基準になりますよね。

今回は、学生納付特例で納めていなかった保険料を納めることによる効果をお伝えします。

未納のままの国民年金…納めると年金はいくら増える?

そもそも年金とは?

国民年金は20歳から60歳まで40年間納付すると、65歳から年金を受け取ることができる制度です。

令和4年度の保険料は、1ヶ月1万6590円、年金としてもらえる額は77万7800円となっており、これは毎年改定されます。

40年間、つまり480ヶ月分の年金保険料を支払って満額の年金がもらえるので、学生納付特例で未納だった期間分を後で払わなければ、年金が減額されることになります。

仮に、2年分24ヶ月、学生納付特例を使っていたとすると

77万7,800円×24/480=3万8,890円

となり、2年分約40万円(毎年改定があるため概算にしています)の年金保険料を支払うことで、老後受け取る年金を約4万円増やすことができます。

つまり、10年間年金を受け取れた時点で元が取れることになります。

払った年度分の税金が安くなる

もうひとつのメリットは、税金が軽減されることです。

追納した年金保険料は、確定申告をすると「社会保険料控除」を受けられます。年収が360万円の場合、所得税が約2万円、住民税が約4万円軽減され(所得税率5%、復興特別所得税は所得税の2.1%、住民税10%で計算)40万円の年金保険料は実質36万円になるといえます。

つまり、実質36万円の負担で将来の年金額を4万円増えるので、先程の計算に従うと、9年受け取れば元が取れると考えることもできるのです。

とはいえ、40万円の保険料負担は大きいですよね。かつ、年金は生きている限りもらえるものなので、将来9年間年金を受け取ることができるかは、不確定です。

未納分を納めたことによるメリット・デメリットを理解した上で、自分ごととして考え、追納するかどうかを検討しましょう。

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