「#あちこちのすずさん」地方紙読者が語る戦時下の日常 横浜・日本新聞博物館でミニ展示

地方紙などが伝えた「すずさん」のミニ展示=横浜市中区の日本新聞博物館

 戦時中の暮らしにまつわるエピソードを読者から募り、神奈川新聞の紙面などで紹介したプロジェクトに焦点を当てたミニ展示「戦後78年 地方紙が伝えた『すずさん』」が、横浜市中区の日本新聞博物館(ニュースパーク)で開かれている。3月末まで。

 神奈川新聞など地方紙とNHK、ヤフーニュースが連携した「#あちこちのすずさん」プロジェクトは、戦時下の日常を生きる女性を描いたアニメ映画「この世界の片隅に」(2016年公開)の主人公すずさんのような人たちを探し、次世代につなげていく企画だ。

 同館でのミニ展示は3回目。岩手日報、神奈川新聞、下野新聞、新潟日報の4紙による取り組みを中心に、同館所蔵資料を含めて26点を紹介している。

 本紙は昨年夏にウェブサイト「カナロコ」にイラスト付きで14本を掲載。会場ではそのうち、「墓石にくっきり、横浜大空襲の記憶『子孫に不戦伝えろ』」と、「『お姉ちゃんにあげるよ』 そっとなめた甘くて苦いチョコ」のエピソードがパネル展示されている。

 同館の担当者は「証言を見ていると、ロシアのウクライナ侵攻に触れている人が多い」とし、「戦争は人々の生活を一変させてしまう。展示を通して、遠い国の話ではないと伝えたい」と話している。

 午前10時~午後5時(入場は同4時半まで)。入館料は一般400円、大学生300円、高校生200円、中学生以下無料。月曜休館。問い合わせは同館電話045(661)2040。 

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