キャンプの調理に便利なバーナー。たくさんの種類があるため、いざ購入しようとすると迷ってしまいます。筆者のおすすめは「JETBOIL(ジェットボイル)」。バーナーとクッカーが一体になっていて扱いやすく、お湯がすぐに沸くのが最大の特徴。キャンプや登山など、あらゆるアウトドアシーンで使えて便利です。今回は、筆者が3年間愛用しているジェットボイル「フラッシュ」と「ミニモ」を紹介し、おすすめの理由を解説していきます。
「ジェットボイル」は一体型のバーナー&クッカー!瞬時にお湯が沸く優れもの
ジェットボイルはアメリカで誕生したクッキングギア。
“小さな火力に、最大限の仕事をさせる”ことを目指して2001年から開発が始まり、現在では機能や容量により6種類が展開されています。
今回ご紹介する「フラッシュ」と「ミニモ」の主なスペックは以下となります。
ジェットボイル「フラッシュ」
- 容量:1.0L
- 重量:約371g(付属スタビライザー27g、ゴトク35g除く)
- サイズ:口径10.4cm×高さ18cm(収納時)
- 沸騰到達時間:約1分40秒 (0.5L)
- 出力:2269kcal/h
- ガス消費量:約139g/h「ジェットパワー100G」1缶で約10Lの水を沸騰可能
- 素材:アルミニウム合金(クッカー本体)
▼ジェットボイル「フラッシュ」
※この記事の写真でご紹介している筆者私物のジェットボイル「フラッシュ」は、旧モデルです。
ジェットボイル「ミニモ」
- 容量:1.0L
- 重量:約415g(付属スタビライザー27g、ゴトク35g除く)
- サイズ:口径12.7cm×高さ15.2cm(収納時)
- 沸騰到達時間:約2分20秒(0.5L)
- 出力:1,404kcal/h
- ガス消費量:約120g/h「ジェットパワー100G」1缶で約12Lの水を沸騰可能
- 素材:アルミニウム(クッカー本体)
▼ジェットボイル「ミニモ」
※上記の重量は、いずれも付属スタビライザー27g、ゴトク35g、専用ガスカートリッジ約194gは含まれません。
ジェットボイルを使用するときに注意したいこと
使用する際には以下のことに注意しながら転倒によるやけどや火災に気をつけて、アウトドアクッキングを楽しみましょう。
- 専用ガスカートリッジを使用する
- スタビライザーをセットして安定させる
- 専用クッカー以外は付属のゴトクを使用する
- 揚げ物には使わない
- 湯・食材の量は容量の70%までに
- 調理中はバーナーから離れない
それぞれの詳細や取扱いの注意などは、ジェットボイル公式サイトで確認してください。
「ジェットボイル」は6種類展開!目的に応じて使い分けよう
いずれも容量は同じですが口径と高さ、性能に違いがあるため、筆者は目的に応じて使い分けています。
とはいえ、ジェットボイルにはゴトクを取りつけられるので、専用クッカー以外の調理も不便を感じることはありません。
「フラッシュ」は湯沸かしが得意!
「フラッシュ」はジェットボイルのシリーズ最速沸騰モデル。
縦に長いスタイルなのでザックに収納しやすくソロで活動するときに便利です。
- 徒歩キャンプ
- 自転車キャンプ
- 山登り
など。
「ミニモ」は取り分けがラク!
「ミニモ」は他のモデルと比較すると、口径が大きく背は低めです。
サーモレギュレーター機能がついているので火加減の調節がしやすく、とろ火調理で威力を発揮。
また、取り分けやすいので2人でシェアする料理にも向いています。
- 夫婦2人のデュオキャンプやチェアリング
- 車中泊旅行
- 凝った料理を作りたいとき
など。
「ジェットボイル」をおすすめする7つの理由
キャンプや登山など、様々なアウトドアシーンで筆者が3年間使い続けてみて感じる「ジェットボイル」の魅力を7つご紹介します。
【魅力1】オール・イン・ワンで持ち運びがラク
ジェットボイルはクッカーの中にガス缶やバーナーをすべて収納できるので、これさえあれば最低限の食事ができます。
底につけるカップやクッカー内部のすき間にも予備のライターや調味料などを入れることができるので荷物もよりコンパクトに。
収納時は上部にふたをかぶせ、底部にカップをはめ込むため、全体にひっかかりが少なく出し入れがしやすいのも助かります。
【魅力2】熱効率が高い
ジェットボイル専用クッカーの底についている「フラックスリング」がクッカー内に熱を閉じ込めて、高いエネルギー効率を発揮。
ガス燃料の無駄遣いを防いでくれます。
また、クッカーを覆う断熱カバーがクッカーからの熱放出をおさえ、余熱調理でガスの節約も。
さらに、火加減を調節するサーモレギュレーターがついているモデルは、気温や気圧の変化にも強く、弱火調理もお手のものです。
【魅力3】取っ手が熱くならない
「フラッシュ」はクッカーを覆う断熱カバーにテープが縫い付けられていてそこに手を通します。
また、「ミニモ」の取っ手はステンレス製でしっかり持てます。
いずれも、断熱カバーがあるため、熱いものが入っていても、専用クッカーの外側を素手で触っても熱くありません。
クッカー初心者でも安心して取り扱えます。お花見をしながら野点(のだて)やホットドリンクを楽しむのも素敵ですね。
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【魅力4】着火装置付きモデルならライターを使わず着火できる
ジェットボイルの「フラッシュ」と「ミニモ」は、ハンドルをひねって自動点火装置をカチカチと押して火をつけます。
ただし、低温や気圧の低い環境では着火しない場合があります。
通常でもまれに火がつかなくなることがあるので、別途火花の出るフリント式ライターを予備で持っていくと安心です。
【魅力5】付属のスタビライザーで転倒防止
アウトドア調理は必ずしもテーブルの上でできるとは限りません。
付属のスタビライザーをガスカートリッジの下につければ、テーブルが無くても安定します。
【魅力6】ゴトクで専用クッカー以外のものも使える
専用クッカー以外のものを使いたいときは付属のゴトクが大活躍します。
たとえばジェットボイル専用クッカーでスープやラーメンを作り、フライパンで肉や野菜を炒めれば品数を増やせます。
もちろん、ホットサンドメーカーも使えます。
ただし、ゴトクはすべりやすいので調理の際はかならず鍋の取っ手をもって落ちないように気をつけましょう。
【魅力7】フタについている穴を活用!調理の幅が広がる
ジェットボイルのフタには3種類の穴があいています。(専用の呼び方がわからないので、以下は筆者独自のネーミングです)
- 注ぎ口の穴:湯を注ぐ
- 蒸気を逃がす穴:具をこぼさずにゆで汁を捨てる、蒸し料理をする
- 中央の穴:具材の入ったポリ袋をつるして湯煎料理をする
コンビニのから揚げや冷凍シュウマイ、焼き鳥缶など、少し温めるだけでもアウトドア飯がバージョンアップします。
ジェットボイルのちょっと気になる点
ジェットボイルは高機能ですが、ちょっと気になる点もあります。
1. 湯切れがあまり良くない
ジェットボイルに注ぎ口はついておらず、専用のふたについている穴から湯を注ぎます。
ドリップコーヒーを丁寧にいれたい人は、別途ケトルなどを用意したほうがよいかもしれません。
2.価格がやや高め
ジェットボイルは1万円台~2万円台となり、一般的なシングルバーナーとクッカーを組み合わせた価格より高くなる印象です。
しかし、熱効率がよくガス燃料の消費がおさえられるため、長い目で見ればお得かもしれません。
3.やや重い
今回紹介した「フラッシュ」は371g、「ミニモ」は415g、シリーズ最軽量のモデル「スタッシュ」で200gです。
さらに、付属スタビライザー27g、ゴトク35g、専用ガスカートリッジ約194gが加わると、荷物の軽量化をめざす人にとってはネックになるかもしれません。
「ジェットボイル」はこんな人におすすめ!
ジェットボイルは必要な物がコンパクトにまとまっていて、「これひとつでなんとかなる!」という安心感があります。
そこで、こんな人におすすめします。
- あれこれとクッカーを買いそろえるのが面倒な人
- 何を買ったらいいのか困っている人
- 手早く調理をすませたい人
種類が多いので、購入する際に迷いますが、何人前の調理をするか(容量)、凝ったものを作るのか(サーモレギュレーター機能)などで決めていくのがよいでしょう。
あっという間に調理できる!「ジェットボイル」でキャンプ料理を効率化
ジェットボイルは、朝・昼・夜の食事やホットドリンク、デザートまで、いつでもどこでも料理ができることもあり、筆者のアウトドアライフの中で一番登場回数の多いクッカーとなりました。
みなさんも、自由な発想でジェットボイルでおいしいものをたくさん作ってくださいね。