高浜原発4号機の自動停止、制御棒落下の可能性 駆動装置に異常か 原子力規制委

関西電力高浜原発4号機(右)=福井県高浜町

 関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)で原子炉が自動停止したトラブルで原子力規制庁は、制御棒を上下に動かし炉心の出力を調整する駆動装置に異常があり、何らかの原因で制御棒が落下した可能性が高いとみていることが2月8日分かった。

 同日開かれた原子力規制委員会の会合で、5日深夜、原子炉容器の頂部に取り付けられている制御棒駆動装置の電気系統の点検を行った後、電源を復旧したところ、制御棒2本が部分挿入される事象が発生したと報告された。

⇒高浜原発4号機が自動停止(1月30日)

 高浜原子力規制事務所は福井新聞の取材に対し、制御棒は全部で48本あり、自動停止により全て落下した後、停止操作や点検に伴い何本か引き抜いた状態だったと説明。トラブル前に行った点検の再現試験や、中性子の量を計測する検出器の点検で異常が確認されなかったことから、制御棒駆動装置の異常が自動停止の原因との見方を強めたもようだ。

 関電は取材に対し「調査の過程で制御棒が部分挿入されたことは事実。自動停止のトラブルとの因果関係も含めて調査中」としている。

 高浜4号機は1月30日、原子炉内で中性子の量が急激に減少したことを知らせる警報が作動し自動停止した。制御棒駆動装置を巡っては、関電がトラブルの約15時間前に異常を知らせる警報が鳴ったことを明らかにしている。

 今回のトラブルは過去の事例と共通性がないことが見込まれるため、規制委は公開会合の場で原因究明や再発防止策を関電から聴取することを決めた。

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