「イカロス 片羽の街」先行上映会が開催!もし羽があったらやりたいこととは?

秦基博の新曲「イカロス」にインスピレーションを受け制作された3本の映画を束ねた映画「イカロス 片羽の街」の舞台挨拶付きプレミアム先行上映会が、2月8日(水)に新宿バルト9にて開催。秦基博をはじめ、小川未祐、菊地姫奈、菅生新樹、和田庵が登壇し、トークショーを行った。

同イベントは2月11日(土)18時より、U-NEXTにて独占ライブ配信(配信チケット3500円)を控えた映画『イカロス 片羽の街』を先行して見ることのできるプレミアムなイベント。独占ライブ配信される『PREMIUM LIVE「ICARUS」』の中から「イカロス」のLIVE映像も先行して上映された。

『イカロス 片羽の街』では、秦の出身地である神奈川・横浜を舞台にさまざまな形の喪失と再生を描いている。児山隆監督の「トイレのハナコ」は、県内でも有数の進学高校に通っている主人公の季美と、季美が横浜の街で出会った家出少女ハナコの2人を追う青春の物語。小川未祐と菊地姫奈が主演を務める。

枝優花監督の「豚知気人生」は、家族を壊した父を恨みながら学校をサボり続ける息子・ツキが主人公。家族を振りまわした挙句、突然死んだ父が“豚のぬいぐるみ”に転生してしまった…という顛末をコミカル且つ感動的に描く。主演は菅生新樹。

中川龍太郎監督の「十年と永遠」は、恋人を亡くした数学教師の純葉と、彼女に淡い恋心を寄せる生徒・中里の姿を描く。主演は葵わかな。和田庵、神山慎太郎、佐野大、大杉侑暉、須藤蓮らが出演する。

2月1日に配信リリースされた「イカロス」は、秦自身が「この時代を生きる中で湧き上がるように生まれてきた」という楽曲で、テーマは”喪失”。イベントで秦は、「登壇者の中で圧倒的年長者であることにかなり震えている」と、ジョークを飛ばしながら挨拶しつつ、楽曲について「2021年の秋頃に、本当に自分が今やりたいサウンドは何かというのを探しながら作り始めました」と制作の背景を明かし、「今回はメロディだったりサウンドができていく中でテーマができ、歌詞ができていきました。”喪失”というテーマは、音の世界が呼んだものなのかなと思います」と振り返った。

『イカロス 片羽の街』については、「1つの楽曲の世界からこれだけ違う物語が生まれてくるということに驚きました。また、普段は映画があって、それのために曲を書かせていただくということが多いんですけど、こうして自分の曲を起点に物語が生まれるということもすごく刺激的でした」とコメント。

また、小川は楽曲について「衣装合わせのとき、台本を呼んだうえで聴かせていただき、聴いた瞬間に、脚本の中の物語がぶわ~っと景色として見える実感がありました。聴いた瞬間から、季美のハナコへの気持ちが自分の中でパッと生まれたような感触があったんです」と語り、「喪失というテーマがこの物語を走っているけれど、そのなかで3作ともそれぞれ関係性が異なっていて、でもそこにある愛情や想いというのはどこかで繋がっていて…。それを繋げてくれているのが『イカロス』という楽曲なんだなと思いました。(出演したものだけでなく)3作全てを観てみると、また違う感情が生まれたりもしています」と、作品を観ての感想も述べた。

そして菊地は、楽曲の印象について「秦基博さんの爽やかな歌声と切ない歌詞、柔らかなメロディで胸の奥がグッと熱くなるようでした。聴き終わった後に、なんだか無性に大切な、身近な人に会いたくなるような曲だなと感じました」と、淀みなくコメント。これに秦は笑顔を見せ、「ありがとうございます!」と喜んでいた。

続けて菅生は、「中学2年生の頃に『ひまわりの約束』を聴いて秦さんを知って、今でもずっと秦さんの曲が好きで。『イカロス』は、本読みのときに初めて聴いたのですが、(これまで聴いたものとは)また違う系統と言いますか…。最初は喪失というテーマを知らなかったけれど、なにかグッと来る曲、壮大な曲だなと思いました」と感想を述べた。

和田は、「僕も本当にもう秦 基博さんの大ファンなんですけど。秦さんの曲が作品で流れるって知ったときもすごくうれしかったんですけど、演じた後に『片方しかない翼を引き摺りまた空を見上げている』というフレーズを聴いて、さまざまな主人公がいる中で、それぞれに言えることだなと思って。みんな大切な人を失って、それでも前向きに生きようとしている姿が重なって。感動しました」と熱弁していた。

イベントではさらに、作品のタイトルに絡めて「羽があったらやりたいことは?」という質問が投げかけられた。これに小川は、天使という言葉や存在が好きだという理由から「天使の映画を作る」と回答。

菊地は「王道ですけど、空を飛びたいです(笑)。私は茨城の田舎の方から上京してきたので、空を飛んだら都会の夜景を見たいなと」と笑いながら話し、菅生は「ちょっと外したことを言おうと思いまして。ハグをしてみたいです。羽でハグをすると温かいのかなとか、どのくらいの温もりを感じることができるのかなとか考えました」と回答した。

すると、すかさず秦が「羽毛布団ですよね。温かいですもんね」と突っ込み。菅生も「そういうことです。どうにかハグをしようと思いました」と頷き、会場を笑わせていた。

さらに和田は、「ポーズを考える」と珍回答。「フォームに近いんですけど。飛ぶってことは、飛んでる間、フォームってあるよなと思いまして。ドラゴンボールで例えるとクリリンだったらこう飛ぶ、悟空だったらこう飛ぶ…と。それで僕はデスノートのリュークの飛び方がいいなと」と、ユニークなコメントを繰り出していた。

最後に秦は「最後やだな~」と言いつつ、「リアルピーターパン。ライブとかの演出でフライングあるじゃないですか。一度やってみたいんですよ」と語り、観客を盛り上げていた。

イベントのラストは、それぞれが映画『イカロス 片羽の街』をアピール。和田は「皆さんの中に何かしらのきっかけや、元気を与えられたら。この先も心に残るような作品になっていただけたらうれしく思います」、菅生は「『豚知気人生』のツキ君は、身の回りに何かがあっても『それでいいじゃないか』と明るいことを考えていく…。そういう“再生”が描かれている作品。何かあったときは、この作品を思い出して、そういう風に思っていただけたらなと思います」、菊地は「私にとって大切な作品。“気付いていたけれど、見ないふりをしていた”というものに気付かされるような作品。この作品を観て、普段見られていなかったことを見るきっかけにしていただけたら」、小川は「日々生きていると何かを得たり失ったりがあると思うのですが、この作品は、そういうときに立ち止まらせてくれて、ぽっかりと開いた穴を眺めたり、悲しみをそっと抱きしめたりしてくれるものだと思います」と述懐した。

―映画『イカロス 片羽の街』―
秦 基博「イカロス」からインスピレーションを受けた喪失と再生を描く物語を3人の映画監督の完全オリジナル脚本によって映画化。秦 基博の出身地でもある横浜を舞台に、様々な形の喪失と再生を描く。

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