6期24年の豊島区・高野区長(85)、区長選の不出馬を表明「一片の悔いもありません」

新型コロナに感染して療養している豊島区の高野之夫区長(85)が次の区長選に出馬しないことを明らかにしました。6期24年にわたって区長の職を務めてきた高野区長は「一片の悔いもありません」と表明しています。

2022年12月には西武池袋本店の低層階にヨドバシカメラが入る計画について「将来の街づくりを考えると、低層部に(ヨドバシカメラが)入ることは絶対に、絶対に反対させていただきたい」と語気を強めて反対していた豊島区の高野区長でしたが、年明けの1月1日に新型コロナに感染していたことを4日に公表し、療養を続けていました。また、31日に行われた2023年度予算案の発表会見も欠席し、齊藤副区長が区長の体調について「(高野区長は)コロナは解消しているが基礎疾患があり、療養が必要な時期が長引いている。来週から本格的に議会が始まるので、それに向けて大事をとって欠席した」と説明していました。

そして2月8日に開かれた新年度予算案を審議する区議会の初日にも高野区長は体調が回復せず、医師の判断により議会を欠席しました。そのため、所信表明は齊藤副区長が代読しました。この中で副区長は代読で「私(高野区長)は次期区長選には出馬致しません」「次世代にしっかりバトンを渡すことができました。一片の悔いもありません」と読み上げ、高野区長は4月の区長選には出馬しないことが表明されました。

現在85歳の高野区長は区長として6期24年の任期中、財政破綻の危機や「消滅可能性都市」の指摘を受ける中、「国際アート・カルチャー都市構想」を掲げ、池袋駅前の再開発や「子どもと女性に優しい街づくり」にも力を入れてきました。

豊島区民の中には「すごく長い間、区長をやっていた印象。年齢的にも世代交代なのかなという感じ」(50代女性)と話す人や「豊島区がどんどん活気づいて、駅前の再開発も進んだ。評判がいい区長さんだったと思うので、出馬しないのは残念」(50代女性)と話す人もいました。また、豊島区が地元で、コロナ政策などで連携してきた東京都の小池知事は記者団からの問いかけに対し「これまでの豊島・池袋のイメージをアートの街に変えた功労者。年明けから具合が悪いと聞いて気にしていた。いずれにしても大変な功労。街づくりや文化について、これからも志をしっかりと受け継いで進めていってほしい」と語りました。

高野区長は体調が回復するまで自宅で公務を行い、職務代理は置かない方針です。

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