笹原右京&ジュリアーノ・アレジの新37号車コンビ始動。「いい方向にいっている」と雰囲気良好

 2月8日、岡山県の岡山国際サーキットで、スーパーGT GT500クラスに参戦する10台の車両が参加しメーカーテストがスタートした。この時季に例年行われているテストだが、2023年に入って初テストとなったのが、3台のトヨタGRスープラ。そのうち注目を集める一台が、TGR TEAM Deloitte TOM’Sの笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組Deloitte TOM’S GR Supraだ。

 2023年に向けたオフシーズンの動きのなかで、最も動向が注視される存在だったのが笹原。スーパーGTでは2022年までRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTをドライブしていたが、心機一転、今季はTOYOTA GAZOO Racing勢に移籍し、名門トムスのドライバーのひとりとなった。GT500で2年目を迎えるアレジとのコンビがどんな戦いをみせるのか、ラインアップが発表されたときから大きな注目を集めている。

 岡山国際サーキットで2月8日からスタートしたメーカーテストだが、笹原にとってGRスープラでの走行は12月にもてぎでドライブして以来となる。まだトヨタのテスト用スーツ、『TOM’S』のロゴ入りウェアが見慣れないが「みんなに言われますね(笑)」と笹原も笑顔をみせた。

 そしてファンにとっても気になるのはNSX-GTとの違いだが「違いは大きいですね」という。ただ、このコメントは無理もない。笹原の場合これまでドライブしていた車両とはクルマもエンジンも、さらにタイヤも違うのだ。

「12月に乗ったときは違いが多すぎて、どの要素から来ているのか選別する必要があったのですが、今回までの間に精査することができましたし、岡山には明確なコンセプトをもったクルマを持ってきたら『こういう結果になる』ということがすごく分かりやすかったです。自分もGRスープラ、ブリヂストンタイヤへの理解を深めているところですし、チームともすりあわせをしているところです」と笹原。

 そんな笹原とコンビを組むのは、GT500で2年目となるアレジだ。笹原とは「もちろん知っていたけれど、一緒に仕事をすることはなかった(アレジ)」という間柄。ちなみにふたりの会話は英語と日本語が混ざったものとのことで、ヨーロッパ暮らしが長く英語が堪能な笹原らしい。

 アレジは笹原と組むことで「いい方向にいっていると思う」という。

「まだイタズラをしていないけどね(笑)。新しいチームメイトだし、昨年とは違うクルマだから、少し変わってくる。だからアジャストしないといけないけれど、今のところかなりいい流れだと思うね」

 また笹原も「コミュニケーションは問題ないですし、これからイタズラが増えてくるんだろうなと思っています(笑)」と笑顔をみせた。

「でもすごくやりやすい環境です。まだ課題はありながらも、ふたりで走るレースですし、お互いに何が問題で、何を求めているのかの作業は理解しやすいです」

 迎える2023年は、カラーリングも一新され37号車Deloitte TOM’S GR Supraとしてもフレッシュなシーズンとなる。笹原は「スーパーGTではポールポジションはありますが、まだ一度も勝っていないので、個人的にはまず優勝したいです」と今季に向けた目標を語った。

「その先にはチャンピオンがありますが、いつも『スーパーGTは大変だな』と見ていて思っています。毎戦とにかくベストを尽くし、良いクルマを作ることができれば、自ずと結果はついてくると思います」

 そして、アレジも「もちろん目指しているところはチャンピオンだけど、そのためにはこの冬のテストが大切になってくる。良いセットアップと良いタイヤを見つけるために集中しているよ」とオフを充実させることで、シーズンに繋げたいと期待をこめた。

2023年スーパーGT岡山メーカーテスト 37号車Deloitte TOM’S GR Supra
2023年スーパーGT岡山メーカーテスト Deloitte TOM’S GR Supraの笹原右京とジュリアーノ・アレジ
2023年スーパーGT岡山メーカーテスト 37号車Deloitte TOM’S GR Supra
2023年スーパーGT岡山メーカーテスト TGR TEAM Deloitte TOM’Sの37号車でコンビを組むジュリアーノ・アレジと笹原右京
2023年スーパーGT岡山メーカーテスト 37号車Deloitte TOM’S GR Supra

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