賠償命令…東武鉄道の子会社に 男性が撮影した写真、無断でポスターに使っていた 東武鉄道に責任ない理由

さいたま地裁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 自身が撮影した鉄道写真を無断で企業ポスターに使用されたとして、撮影した男性が東武鉄道と子会社に計約140万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が8日、さいたま地裁であった。倉沢守春裁判長は写真が著作物だと認定し、子会社に50万円の支払いを命じた。

 訴状などによると、男性はウェブサイト上に公開した列車の写真を無断でポスターに使用され、駅に掲載されたことで著作権や氏名表示権などを侵害されたと主張。訴訟では、男性の写真が著作物に該当するかなどが争点となった。

 倉沢裁判長は判決理由で、男性の写真は、自らの撮影意図に応じて構図や撮影角度などを捕捉しており、「思想や感情を創作的に表現したもので、著作物性を有する」と認定した。

 また、URLを消去して写真をポスターに使用した点について「氏名表示権の侵害に当たる」とした。

 一方、東武鉄道の責任については「マニュアルなどを定め、子会社にも配布していた」などとして認めなかった。

 東武鉄道は「判決文の内容を確認した上で対応を検討してまいります」とコメントしている。

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