巡視船「はてるま」 玉野で進水式 外洋での領海警備や海難救助想定

進水した大型巡視船「はてるま」

 三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場(玉野市玉)で9日、海上保安庁の大型巡視船「はてるま」の命名・進水式が開かれた。

 「はてるま」は全長約96メートル、幅約11.5メートル、約1500総トン。ロシア語や中国語など多言語に対応した停船命令等表示装置のほか、遠隔放水銃などを備える。

 約2年前から着工し、内装工事などを経て2023年度中に引き渡される予定。船価約72億円。配属先は未定だが、外洋での領海警備や海上犯罪の取り締まり、海難救助などの海上保安業務を想定している。

 命名・進水式には同社の調枝和則社長、海上保安庁の白石昌己海上保安監、第6管区海上保安本部の久田隆弘次長ら関係者25人が出席。

 白石海上保安監が大型巡視船の名を「はてるま」と発表。船と港につなぎ留める支綱(しこう)が切られると、船体はゆっくりと船台から海へと滑り込み、会場から大きな拍手が起こった。

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