「なるべく価格を抑えて…」バレンタインのチョコレートにも物価高騰の波 専門店はあの手、この手で!

2月14日はバレンタイデーですが、物価高騰の波はチョコレートにも及んでいます。チョコレート専門店では、仕入れ値が上がる中、値上げの波を乗り越えようと工夫をしています。

さまざまな産地のカカオ豆を使ったチョコレートや紅茶など、ユニークな商品がずらりと並ぶ静岡市葵区にあるチョコレート専門店「CACAO BRAVO!」です。バレンタインのこの時期、限定販売しているのが、静岡産のいちごが乗ったホワイトチョコレートやピスタチオが入った高カカオのチョコレートなど、3枚の異なる味を楽しめるチョコレートです。

<影島亜美キャスター>

「見た目も華やかなチョコレートが並んでいます。では、さっそくいただきます!上に乗っているカカオ豆、この食感がすごくよくて、濃厚です。カカオの味もしっかりと感じられます」

商品はすべて売り場の隣にある自社工房で作っています。

しかし、2023年は、例年とは違って厳しい状況にあるといいます。

<カカオブラボー!中村幹子店長>

「(カカオ豆の価格は)産出国によって違いがありますが、いま剥いているガーナ産のカカオ豆は高めで、12~13%くらいの値上がりしています」

カカオ豆の価格は、2022年の夏以降、世界的に右肩上がりで上昇。輸送費が高騰し、円安の影響なども加わっているといいます。さらに拍車をかけるのは「電気代」です。

<カカオブラボー! 中村幹子店長>

Q例年よりどのくらい、電気代が高くなっていますか?

「このところの値上げで(月に)数万円単位で高くなっている気がします」

雑味のない、なめらかなチョコレートに仕上げるため、2日間かけて練り上げます。高圧で加工するため、電気代も重くのしかかります。

<カカオブラボー!中村幹子店長>

「練り上げももちろんですけど、焙煎であったり、乾燥であったり、すべて電気を使いますので、電気の料金が上がるのは辛いものがあります」

光熱費や原材料が高騰する中、気になるのは、チョコレートの値段です。

<カカオブラボー!中村幹子店長>

「みなさんに手にとってもらいたいということで、今のところは(価格を)据え置いています」

少しでもコストを抑えるため、こんな工夫もしています。

<カカオブラボー!中村幹子店長>

「近隣の農家さんと交渉させてもらい、規格外ですが、廃棄するのはもったいないので、バレンタイン用のチョコレートのトッピングに使っています」

また、梱包作業も含め、すべて店で行うことでコストダウンにつなげます。

<カカオブラボー!中村幹子店長>

Q値上げの波が続いていますが、チョコレートの価格を据え置いているのはどうしてですか?

「チョコレートを日常的に召し上がってもらいたいので、なるべく価格を抑えて手に取ってもらいやすくしています」

2023年は、値上がり傾向にあるバレンタインチョコですが、少しでも価格を抑えようと店側は精いっぱい努力しています。

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