この春に行われる学校の卒業式について、文部科学省はマスクを外して行うことを可能とすることを決めました。突如の方針転換に教育の現場は、そして、主役の生徒たちは、どう受け止めるのでしょうか。
<瀬崎一燿キャスター>
「多くの3年生が3月に卒業を迎える静岡市内の高校に来ました。学校側は、生徒の最後の晴れ舞台をどのように作り上げていこうと考えているのでしょうか」
静岡市葵区の静岡学園高校です。2023年は303人が学び舎を巣立ちます。
<2020年のリポート>
「コロナの影響で入場セレモニーはなく、卒業生は個別に入場してきました」
2020年3月に行われた静岡学園高校の卒業式の映像をみると、この時点ですでに生徒のほとんどがマスク姿でした。
あれから3年。厚生労働省の専門家らは、2月8日の会合で、卒業式で参列者がマスクをつけなくてもよいとする見解を示しました。
<静岡学園高校 齊藤史門高三学年主任>
「こちらが卒業式当日に使う会場」
しかし、静岡学園高校では、国公立大学の試験を控える生徒が多いことなどから、2023年もマスク着用を決めたといいます。卒業式直前の方針転換に戸惑いを隠せません。
<静岡学園高校 齊藤史門 高三学年主任>
「(マスクなしに変更すると)混乱を与えるのではないかと考えて、当初の予定通りにした。(新型コロナの)分類が2類から5類に引き下げられているわけではないので、大学入試を控える生徒のことを考えると保護者にはご理解をお願いしていく」
一方、主役の高校3年生。予想外の反応を見せました。
<3年生>
「いまさら、(マスクを)外して(卒業式に)顔を見せるのは恥ずかしい。体育館で全員集まってやるってことだったので、それはうれしいです」
静岡県教委は、国から通達が来た場合は、感染状況などを踏まえ、速やかに学校ごとの柔軟な対応を求めたいとしています。
<静岡県教委高校教育課 中山雄二課長>
「こどもたちに取ったら一生に一度の卒業式。静岡県としても国からの通知を踏まえて、速やかな対応をして、子どもたちの楽しい思い出作りとしてのサポートをしたい」