【神奈川県知事選】岸牧子氏が立候補表明 「市民パワー」で県政刷新訴え

知事選への出馬を表明する岸牧子氏=9日午後、県庁

 任期満了に伴う神奈川県知事選(3月23日告示、4月9日投開票)を巡り、市民団体代表の岸牧子氏(66)が9日、無所属で立候補すると表明した。神奈川労連などで構成する政治団体「平和で明るい神奈川県政をつくる会」が支援し、共産党が推薦する。

 県庁で記者会見した岸氏は、気候危機への対応強化や医療・教育分野への重点投資、米軍基地問題への毅然(きぜん)とした対応などを掲げ「市民活動の経験を生かし、『ピープルパワー』で県政を変えたい」と抱負を語った。

 横須賀市で建設が進む石炭火力発電所を容認しない姿勢を明確にし「省エネを含め、再生可能エネルギーへのシフトを進める」と強調。「財源が許す限り、医療・教育費を無償に近づける」とも述べた。

 黒岩祐治知事(68)の県政運営については「新型コロナウイルス禍や物価高で苦しむ県民の暮らしに対応しきれていない。気候危機や米軍基地問題でも責任ある態度を示していない」と批判した。

 岸氏は湯河原町出身で武蔵野美術大卒。横須賀市で暮らしており、平和や環境などの市民活動を展開している。2019年の知事選にも出馬し、黒岩氏との一騎打ちに敗れた。

 知事選を巡っては、黒岩氏が4選出馬を表明し、自民党県連と公明党県本部が推薦を決めている。日本維新の会も候補擁立を模索。NPO代表の寺田浩彦氏(61)も出馬の意向を示している。

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