2連覇を目指すロバンペラがシェイクダウン首位発進。勝田も僅差の3番手/WRCスウェーデン

 2月9日、同日から競技が開始されるWRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』のシェイクダウンが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマークした。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はチームメイトから0.3秒差の3番手となった。

 2023年開幕戦モンテカルロから3週間、WRCは早くもシーズンの第2戦ラウンドに突入した。舞台は北欧のスウェーデン、2023年も昨年に引き続き北部最大の都市ウメオを拠点にハイスピードなスノーラリーが繰り広げられる。

 そんなラリー・スウェーデンの競技初日である9日(木)は、サービスパークから近いホークマルクのテストステージで現地9時からシェイクダウンが実施された。2022年大会のウイナーであるロバンペラは、コースの両サイドを“スノーバンク(雪壁)”に囲まれた全長5.45kmのステージを3回走り、最後のランで全体ベストタイムとなる2分50秒9をマーク。その平均速度は115km/hだった。

「本当に、本当に滑りやすいコースだった」と“掃除役”の苦労を語ったロバンペラ。

「道の真ん中に小さなラインがあるけれど、ここで道を開いていくのは本当に難しい。(出走順が)最初のクルマにとって簡単なコンディションではないよ」

 現王者の“フライング・フィン”に続いたのは、同じくフィンランド人のエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)だ。このオフにトヨタからヒョンデチームに移籍した彼は、1走目と2走目の両方で暫定ベストタイムを記録し、このセッションの大半でリーダーだった。3度目の走行でも自己ベストを更新したが、それ以上にタイムを伸ばした同郷のロバンペラにはコンマ1秒届かなかった。

 3番手につけた勝田は、「大好き」と語る雪上ドライブでトップと0.3秒差。サテライトチームではなく、ワークスチームの3台目で初参戦する勝田にとって上々のスタートとなっている。

 勝田の後方には4度目の走行で2分51秒8を記録したTGR WRTの僚友エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続き、そこからコンマ4秒遅れて今季初参戦のクレイグ・ブリーン(ヒョンデi20 Nラリー1)が5番手につけた。

 開幕戦で3位に入ったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は2分54秒0で6番手に。Mスポーツ勢はオット・タナクとピエール-ルイ・ルーベ(ともにフォード・プーマ・ラリー1)が7番手、8番手となっている。

 この後ろには新型シュコダ・ファビアRSラリー2を駆るオリバー・ソルベルグ、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5のステアリングを握るオーレ・クリスチャン・ベイビーのWRC2コンテンダーふたりが続きトップ10リザルトを形成した。トヨタ初のプライベーターとして、マシンカラーリングも含めて注目を集めるロレンツォ・ベルテッリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は16番手タイムでシェイクダウンを終えている。

 ラリー・スウェーデンの競技初日はこの後セレモニアルスタートを経て現地19時過ぎ、日本時間10日(金)3時過ぎからSS1“ウメオ・スプリント1”が行われる。

エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
初のワークスノミネートでWRCスウェーデンに臨む勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

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