ペルー沖の船員殺傷事件 所有のマグロ漁船会社に広がる動揺 死亡の甲板長は信頼厚く

第18事代丸の船籍港で、遠洋マグロ漁船の基地となっている三浦市・三崎港

 南米ペルー沖で操業中の遠洋マグロはえ縄漁船「第18事代(ことしろ)丸」(469トン)内で発生したインドネシア人の船員同士による殺傷事件。突然の惨事に、同船を所有する神奈川県三浦市三崎の「事代漁業」が対応に追われている。船員の間には動揺が広がり、操業再開のめどは立っていない。

 船は負傷者の治療を最優先とするため、9日(日本時間)に最寄りのイースター島(チリ)へ入港した。

 第3管区海上保安本部によると、3日夕方(同)、機関員の男(25)が2人を包丁で刺し、甲板長の男性(48)が死亡、機関員の男性(37)が重傷を負った。刺した男は自ら海に飛び込み、行方不明となっている。当時、船には日本人6人、インドネシア人19人の計25人が乗っていた。

 同社によると、当事者の3人は乗船歴があり、特に甲板長はインドネシア人船員のまとめ役で、船長からの信頼も厚かった。

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