寝不足で肥満を招くのはなぜ?ダイエッターに最適な睡眠時間はズバリ7~8時間 !

体重を減らしたり、これ以上増やさないように現状維持したい……と思うと、皆さんは何に気を付けますか?
「ダイエットのために甘いものを控えよう」
「運動で増えた体重をもとに戻したい」
といったように、多くの方は食事や運動に注目しがちですが、実は「睡眠」もダイエットにはとても重要なんです!

今回はそんな睡眠とダイエットの関係性をご説明します。

睡眠とダイエットの関係性

・ 夜遅くまで起きていたらとやたらとお腹が空いてしまった
・ 夜になり食欲が増してついつい食べ過ぎてしまった

こんな経験ありませんか?
これは睡眠が食欲をコントロールするホルモンのバランスと関係しているからなんです。
睡眠が不足すると「レプチン」という満腹を感じるホルモンが減り、「グレリン」という食欲を増やすホルモンが過剰に分泌されてしまいます。
どんなに固い意志を持っていても、「グレリン」がたくさん分泌されると、ついつい食べ過ぎてしまって体重が増えることに繋がります。

また、夜遅くに食べたものは脂肪として体にため込まれやすく、太りやすい原因となります。
脂肪をため込みやすくする脂肪遺伝子(BMAL1)は、1日のうちで午後10時頃から急激に増えて、午前2~4時頃にピークを迎えるためです。
夜遅くまで起きていると食欲が増えるうえ、食べた場合はそれが脂肪として蓄えられやすくなるため、ダイエットのためには睡眠を十分にとることが大切であるといえます。

睡眠時間の目安は7時間から

米国の調査によると、肥満者(BMI30以上と定義)の割合が1番少ない睡眠時間は7~8時間であり、それよりも睡眠時間が短く(6時間未満)なる、または長く(9時間以上)なるほど割合が高くなるというU字型の関連がみられることが報告されています。
また、カナダのケベック州において、ある集団を6年間追跡した前向き調査では、睡眠時間が7~8時間の人と比べて、9時間以上や6時間未満の人は体重や胴回りや体脂肪が有意に増加していました。

睡眠不足は肥満だけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患などのリスクを高めることにも繋がります。
肥満だけでなく、生活習慣病などの病気のリスクを減らして、健康に過ごすためにも十分な睡眠時間をとるが重要なのです。
米国の国立睡眠財団が推奨する睡眠時間は、年齢ごとに異なりますが、18歳~64歳の成人では7~9時間の睡眠時間が推奨されています。
まずは7時間をひとつの目安として十分に眠れているか見直してみましょう。

寝つきを良くするために

十分な睡眠の量をとるために、早めにベッドに入ってもなかなか寝付けないと困りますよね。
寝入りをよくするためのコツとして、「光との付き合い方」があります。
私たちの脳は日中に光を浴びて「活動モード」になり、夜にかけて日が沈むと「休息モード」に切り替わるようにできています。
しかし、夜になっても日中のように明るい光を浴びていると脳が日中と勘違いして「活動モード」のままとなります。
夕方以降は浴びる光の調整を意識して、スムーズな入眠を手に入れましょう!

寝つきをよくするコツは以下のとおりです。

・ 寝る1時間前から照明を控えめに。照明は暖色系の蛍光灯か白熱灯
・ 少なくも寝る30分前からテレビやパソコン、スマートフォン、タブレットなどは使わない
・ 寝室は真っ暗がベスト。つけるなら、3ルクス(月明り程度)にしましょう
※寝室内に豆球程度の照明をつけてもOKです。また、夜中にトイレで目が覚める人は、廊下に10ルクス程度(ほんのり小さな明かり)を足元の光としてつけておけば、寝室の照明をつけなくて十分に歩けますし、光源が目に入らないので「活動モード」になることもありません。

十分に寝るようになったからといって体重が減るというわけではありませんが、ご説明したように、睡眠時間はダイエットや体重管理に関係しています。
体重を減らしたいと思っている方は、まずは日ごろの睡眠時間を見直すことからはじめてみませんか。

<参考>
・ Taheri S, et al.:PLos Med,1(3):e52. Epub 2004
・ Chaput JP et al. Sleep 2008; 31: 517-523.※Hirshkowitz M, et al. Sleep Health. 2015;1(1):40-3.
National Sleep Foundation(国立睡眠財団)

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