バレンタイン商戦 値上げでも「ご褒美」高価格帯が人気 ニーズの多様化に対応

SNS映えしそうなチョコレートが並び、にぎわう催事場=長崎市、浜屋百貨店

 バレンタインデー(14日)商戦がピークを迎えている。今年は新型コロナウイルス禍による行動制限がない中で迎え、長崎市内の売り場はにぎわう。原材料高騰によるチョコレートの値上げが逆風になると思いきや、「自分へのご褒美」などとして高価格帯が好調。家族や友人とシェアするなどニーズの多様化に合わせた品ぞろえになっている。
 浜屋百貨店(浜町)は8階催事場で55ブランドが出店する「ハマチョコ&スイーツフェスタ」を開催中。客層は20~50代女性が中心だが、週末は男性も。コロナ禍で昨年までは短時間の来店や通販利用が多かったが、今年はじっくり時間をかけて品定めしたり、何度も足を運んだりする姿が目立つ。担当者は「恋人とだけではなく、友人や家族とみんなで楽しむなどバレンタインの過ごし方が多様化してきている」。
 惑星形チョコや、食後も楽しめるデザイン性の高い容器など、交流サイト(SNS)映えを意識した商品が売れている。「自分へのご褒美」としては3千~5千円の高価格帯が人気という。
 アミュプラザ長崎(尾上町)の1階特設会場では、9ブランドが計約90種類を販売。選ぶ時間も楽しんでもらおうと定番チョコだけでなく、バターケーキやドーナツ、カヌレなどバラエティー感を重視した品ぞろえだ。県内初出店のブランド「ショコラテル」は、カカオ豆の選定から一貫して自家工房で製造したチョコを厚いテリーヌにして、米粉サブレで挟んだショコラサンドを扱う。
 家族と一緒に選ぶ客も多い。アミュの担当者は「値上がりしているからといってお客さまの購買意欲は下がっていない。チョコを渡すイベントというより、個人または大切な人と楽しむようになってきている」。常設スイーツエリアでもバレンタイン限定商品を販売している。
 みらい長崎ココウォーク(茂里町)で雑貨や家具などを扱うテナント「カイルアンドキッチン」は、発展途上国の原料や製品を適正価格で取引する「フェアトレード」の板チョコを販売。マグカップなどとのセット購入を薦めている。


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