新型コロナウイルス患者向けの病床を確保した医療機関に支給される国の交付金を岡山大病院(岡山市北区鹿田町)が19億数千万円過大受給したとされる問題で、県は10日、国への返還額を確定するため、同病院を立ち入り調査した。
同病院は2021年1月から22年3月にかけ、コロナ患者受け入れで休止した病床の補償について本来は日額約7万円とすべきところ、より高機能の病床に適用される約21万円で申請していたとみられる。22年11月、同病院の自主点検で発覚し県に報告、「意図的な過大請求ではなかった」と説明している。
立ち入り調査は午前9時から実施。県職員4人が関連資料や病床の運用状況などをチェックし、担当職員らから聞き取りした。近く過大受給額を確定した上で国への返還手続きに入る。
同交付金を巡っては、全国の対象医療機関で過大受給が相次ぎ発覚している。県内では20、21年度に延べ130医療機関へ計約507億円の交付金が支給されており、県は岡山大病院以外に複数の医療機関の過大受給を把握しているという。全容が確認でき次第、公表を検討している。