“今日イチ”のスイングで20ydオーバー 世界1位マキロイもトリッキーな風に苦戦

PGAツアーでは20ラウンドぶりのオーバーパー(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 初日(9日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

後半7番(パー3)、ティショットが大きくグリーンをオーバーしたロリー・マキロイ(北アイルランド)は戸惑ったように足元の芝をちぎって投げ、風を確認した。「今日一番のスイングで20ydほどオーバーしてしまった。厄介な横風がたくさん吹いていて、トリッキーな一日だった」と振り返った。

名物16番では惜しくもバーディならず(撮影/田辺安啓(JJ))

1日当たりの来場制限があった2021年以来2度目の大会参戦とあって、大ギャラリーを引き連れた。最もタフな11番で1Wショットを左サイドの池に突っ込んでボギー先行も、グリーン右手前に外した14番では手前の尾根が気になるアプローチを完璧なスピンコントロールでピタリ。続く15番(パー5)も池越えの102ydを1m弱に絡めてバーディを奪った。

「左のミスに悩んでいたので、小さなフェードを打とうとした」という1Wショット。圧倒的なヘッドスピードからビッグドライブを繰り出す一方、フェアウェイキープ率は28.57%(4/14)と乱れる場面も少なくなかった。後半2番ではホール右に隣接する家の塀近くまで打ち込んだが、ピッチングウェッジでわずかな隙間を通してグリーンに乗せるスーパーリカバリー。「(2パットの)パーで上がれてうれしかったよ」と笑みがこぼれた。

圧倒的なパワーに加えて随所で技も見せた(撮影/田辺安啓(JJ))

昨年8月から欧米ツアーを含めて出場8試合連続でトップ10入り。その間に3勝を積み重ね、満を持して乗り込んできたフェニックスだったが、PGAツアーでは昨年6月「トラベラーズ選手権」3日目以来、20ラウンドぶりのオーバーパーとなる「73」で2オーバー暫定82位と出遅れた。

「全てのフェアウェイバンカーが僕の(ティショットの)ランディングエリアにあるような気がする。でも、そのチャレンジを受け入れようと思っているんだ」。世界ナンバーワンとして、このままでは終われない。(アリゾナ州スコッツデール/亀山泰宏)

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