気象庁は10日(金)、エルニーニョ監視速報を発表した。それによると、2021年秋から続いているラニーニャ現象は終息しつつある。
今後、ラニーニャ現象は冬の終わりまでに終息し、平常の状態となる可能性が高く(90%)、その後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)と予測している。
1月のエルニーニョ監視海域における海面水温の基準値からの差は-0.4℃で、基準値に近い値だった。太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部で平年より低かった。また、海洋表層の水温は西部から中部で平年より高かった。
実況で太平洋赤道域の西部から中部にみられる海洋表層の暖水は東進し、東部の海面水温を上昇させるとみられる。大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬の終わりには基準値に近い値になり、春から夏は基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測している。
以上のことから、今後、ラニーニャ現象は冬の終わりまでに終息して平常の状態になる可能性が高く(90%)、その後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)。
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。