レッドブルF1とフォードの契約は「商業的かつ技術的契約」と代表。ポルシェとの話し合いとはまったく異なる関係だと主張

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、2026年に始まるレッドブルとフォードのF1における提携関係は、決裂したポルシェとの契約とは「まったく異なるもの」だと述べている。

 昨年夏、F1チームを運営するレッドブル・テクノロジーズの株式をポルシェが大量に取得することで、レッドブルと同社が合意したといううわさが浮上した。だが、話し合いは最終的に二社の間で決裂。しかしレッドブルには次の機会が到来していた。フォードがF1に強い関心を示し、チャンピオンチームであるレッドブルを理想的なパートナーと評価したのだ。

 レッドブルは2月3日にニューヨークでフォードとの提携を発表した。ホーナーはこの契約が「純粋に商業的かつ技術的な」コラボレーションだと述べた。しかしフォードとレッドブルとの契約は、その半年前にポルシェが考えていたものとほとんと共通点がない。

「ポルシェと話し合っていたのとはまったく異なる関係だ」とホーナーは金曜日に語った。

「これは純粋に商業的かつ技術的契約だから、株式交換や事業への参加は一切ない。非常に明快な契約で、我々は特にEV面の研究開発の共有と入手を可能にし、技術ソフトウエア開発の販売などを行う。商業面では、アメリカではフォードが広く知られている。商業パートナーとして、彼らは我々が市場にさらに浸透していく助けになるだろう」

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 確かにマーケティングは両社にとって非常に重要な要素になるだろう。しかしフォードの関与は、二社の間で行われる技術移転によっても促進されている。フォードは特に電動化の面でレッドブルを支援することに関心を抱いている。

「付加価値と利益をもたらすフォード・モーター・カンパニーのリソースという点では、あらゆるものが検討されている」とフォード・パフォーマンス・モータースポーツのグローバル・ディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは説明した。

「我々は最初の分野に取り組んでいるが、それは電気モーター自体の電池技術、制御、ソフトウェアといったものだ。もちろん我々の従業員をフルタイムでミルトンキーンズに常駐させることを想定しているが、現時点ではまだ行っていない」

「我々はいかなるところでも単なるマーケティング活動のためにレースに出ることはない。特にF1ではね」

 しかしながらフォードは、アメリカにおけるF1の現在の成長と人気が同社の信用に影響を与える可能性を過小評価していない。

「(アメリカでの成長は)もちろん追い風になる。我々が言ったように、これは技術および機会の組み合わせを双方向にやり取りするものだ」とラッシュブルックは認めた。

「マーケティングと、世界のあらゆるファンとのつながりを持つ機会だ。それは特にアメリカでの成長が一因だ。しかしそれだけが(F1復帰の)唯一の理由ではない」

「それにアメリカでさらにレースが行われるのは素晴らしいことだ。3つのまったく異なるレースが国内のまったく違う地域で開催される。私は昨年COTAにいたが、素晴らしいものだった。レースのためにあそこへ行ったことがなかったが、素晴らしい雰囲気とフィーリングだった。数多くのファンがいて、彼らの情熱があった。その一員となることは我々にとって重要なことだ」

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