用水路100カ所に安全対策工事 岡山市が23年度 転落防止へ追加

岡山市が用水路に設置した転落防止柵=中区中井(市提供)

 岡山市は10日、市内で転落事故が発生した用水路約100カ所の安全対策工事を2023年度に行うと発表した。16年度の点検で明らかになった危険箇所の工事は22年度中に終える予定だが、事故が後を絶たないため追加で対策を講じる。

 10日発表した23年度一般会計当初予算案に関連経費5千万円を計上した。

 対象は、市が用水路の危険箇所のチェックを始めた15年9月以降に徒歩か自転車による事故が起きた中でも、市が特にリスクが高いと判断した場所。主に狭かったり、カーブしていたりする道路を想定している。地元と調整した上で、転落防止柵や夜間反射材などを設置する。高齢者に向けた注意喚起のチラシも作成し、各町内会や公民館を通じて配布する予定。

 市は16年度、地域住民と合同で点検を行い、危険性がある2507カ所をピックアップした。同年度に着手した対策工事は22年度末までに完了する。

 市によると、用水路への転落事故による市消防局の救急出動件数は16年の137件から減少傾向にあるものの、21年に104件、22年は88件発生するなど依然として高い水準が続いている。

 市道路港湾管理課は「ハード面でできる限り対応するのはもちろん、夜間は用水路に近づかないなど市民の意識を変えるソフト対策にも力を入れ、事故ゼロに近づけていく」としている。

転落防止柵を設置する前の状態=岡山市中区中井(市提供)

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