島津製子会社の不正疑惑、新たに38件 エックス線撮影装置巡り九州4県で

島津製作所本社(京都市中京区)

 島津製作所は10日、医療機器子会社島津メディカルシステムズ(大阪市)のエックス線撮影装置に関する不正疑惑を巡り、弁護士らでつくる外部調査委員会の調査報告書を発表した。これまでに不正を認定し、公表した熊本県の5件のほかに、不正が疑われる事案が九州の4県の医療機関で計38件見つかった。

 報告書によると、新たな疑惑を含む43件は2009~19年、熊本、宮崎、鹿児島、長崎の4県の41医療機関で発生した。九州支店の各営業所に所属していた技術者7人が関わった可能性が高いという。

 外部調査委は原因について「不正行為者が厳しい業績目標の重圧にさらされていたのではないか」と指摘。再発防止策として保守業務評価体系の見直しや管理職のコンプライアンス教育強化-などを求めた。

 同社は、島津メディカル社長の減給処分などを発表し、「経営陣の責任の下、役員と従業員が一丸となって再発防止の取り組みを徹底的に遂行し、信頼を回復できるよう努力します」とコメントした。

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