勝田貴元、SS4で今季初のステージウイン。ワークスノミネート初陣で現在5番手/WRCスウェーデン

 日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、2月10日に行われたWRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』のSS4でステージ優勝を飾った。デイ2午前のループ終了時点の総合順位はトップと7.1秒差の5番手だ。

 今季2023年よりトヨタワークスのTOYOTA GAZOO Racing WRTに昇格し、シリーズ8冠王者のセバスチャン・オジエと3台目のトヨタGRヤリス・ラリー1をシェアしている勝田。昨季、ケニアと地元日本ラウンドで表彰台に立った勝田にとって、このラリー・スウェーデンは自身初のワークスノミネートによるWRC参戦となっている。

 前日の9日(木)に行われたシェイクダウンで3番手タイムを記録し、「少し慎重になった」という同日夜のSS1ではステージ6番手につけた勝田は、本格的なスノーラリーがスタートした10日(金)のデイ2も好走を見せている。

 この日のオープニングステージとなったSS2では総合順位をひとつ落としながらも、ステージ4番手タイムを記録した。続くSS3は、チームメイトで現王者のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)から1.7秒差の3番手タイムをマークし、総合順位を7番手からふたつ上げてみせた。

 総合5番手で迎えたSS4“ボッツマーク1”、勝田/アーロン・ジョンストン組はここで2023年シーズン最初のステージウインを達成。これが勝田にとって通算8度目のステージ優勝となっている。なおSS4は全長25.81kmの新ステージで、午後のループではSS7として再走予定だ。

 2022年第12戦スペイン以来(ただしノーショナルタイムによるもの。それ以前は第8戦フィンランドが最後)のベストタイムを記録した勝田は、走行後のインタビューで次のように語った。

「(ステージは)とても、とてもハイスピードで、クルマを走らせていて快適に感じています。ラインをキープするのが少し難しいですが、大丈夫です。まったくプッシュせず、スムーズに走るように心がけました」

 競技2日目の折り返し段階で総合トップにつけているのは、ベストタイムこそないものの安定したペースで上位タイムを並べているMスポーツのオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)だ。これに2.1秒差でクレイグ・ブリーン(ヒョンデi20 Nラリー1)が続く。今戦が2023年シーズン初参戦のブリーンはSS2でステージウインを飾った。

 総合3番手は氷雪路を得意としている北欧出身のエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)で、僚友ブリーンとは2秒差。トップから4.7秒差の総合4番手には若き“フライング・フィン”ロバンペラがつけている。勝田はTGR WRTのチームメイトから2.4秒遅れての5番手だ。

 WRC第2戦ラリー・スウェーデンの競技2日目はこの後14時53分(日本時間22時53分)からSS5“ブラットビー2”が行われる。デイ2最後のステージは連日のナイトステージとなるSS8“ウメオ・スプリント2”だ。

これまでのサテライトチームからではなく、初めてワークスチームからWRCに参戦している勝田貴元(TOYOTA GAZOO Racing WRT) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
クレイグ・ブリーン/ジェームス・フルトン組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

■2023年WRC世界ラリー選手権第2戦ラリー・スウェーデン暫定結果 SS4後

Pos. No. Driver Machine Gap

1 8 O.タナク フォード・プーマ・ラリー1 28’24.5

2 42 C.ブリーン ヒョンデi20 Nラリー1 +2.1

3 4 E.ラッピ ヒョンデi20 Nラリー1 +4.1

4 69 K.ロバンペラ トヨタGRヤリス・ラリー1 +4.7

5 18 勝田貴元 トヨタGRヤリス・ラリー1 +7.1

6 33 E.エバンス トヨタGRヤリス・ラリー1 +15.5

7 11 T.ヌービル ヒョンデi20 Nラリー1 +17.0

8 7 P-L.ルーベ フォード・プーマ・ラリー1 +37.0

9 20 O.ソルベルグ(WRC2) シュコダ・ファビアRSラリー2 +1’33.5

10 37 L.ベルテッリ トヨタGRヤリス・ラリー1 +1’34.7

※リザルトは編集部集計

© 株式会社三栄