神奈川県西部地震発生なら…小田原で〝トイレ難民〟2万人以上か 自宅断水も想定、市の備蓄トイレでは足りず

仮設トイレ(資料写真)

 震度6強の揺れで県内5千人以上が死傷するとされている県西部地震が発生した場合、小田原市内で1日当たり最大約4万8千人分の災害用トイレが必要となる試算を同市が10日までにまとめた。現状、広域避難場所に市が備蓄しているトイレは2万7千人分で、発災時には被災者2万人以上が“トイレ難民”となることが想定される。

 東日本大震災では多くの水洗トイレが被災や断水などで使用できなくなり、道路の寸断で1カ月以上も仮設トイレが届かない避難所もあった。多くの被災者が食事や水分摂取を控えるなどしたことから、市が必要なトイレの数を試算した。

 県西部地震が起きた場合、小田原市内だけでも死者が160人に上り、1万5千棟が全半壊になると想定されている。試算では、被災初日から3日目までに広域避難所に避難してきた約2万5千人分と断水により自宅のトイレが使えなくなった2万3千人分のトイレ計640基が必要となる。

 現在、市が備蓄している仮設トイレは150基。33万枚ある携帯用トイレは1日75人が使用する計算で210基分に相当し、最終的に2万1千人分(280基)のトイレが不足するという。市は不足分を補うため、来年度から市内37カ所の広域避難所に下水管に直結するマンホールトイレを順次整備していく方針としている。

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