2月10日、「SDGsスクールアワード」で企業賞を受賞したのが、浜松市のオイスカ浜松国際高校です。この学校の生徒がいま、取り組んでいるのは、浜松市を代表する観光名所・中田島砂丘を守る活動です。地元の美しい「浜」を未来に残す。高校生たちが真剣に考え、行動に移しています。
<バケツリレーの様子>
「がんばれ~!ファイト!」
バケツいっぱいの砂を運ぶ高校生たち。浜松市の「浜」を守るために走っています。
映画のロケ地などにも使われる浜松市を代表する観光名所・中田島砂丘。いま、ピンチを迎えています。砂丘の盛り上がった部分は防潮堤。東日本大震災を受け、浜松市沿岸に建設された防潮堤は、中田島砂丘を貫くようにつくられています。この防潮堤の上にかぶせた砂がなくなってしまい、問題となっているのです。
砂丘の防潮堤は、土砂やセメントを混ぜた「CSG」と呼ばれる基礎の上に30cmほどの砂をかぶせてできています。しかし、この防潮堤にかぶせた砂が、冬の強風などにより飛ばされてしまいます。「基礎」がむき出しになると景観が悪化したり、滑りやすくなり、観光客が転んで、けがをしたりすることが懸念されています。
この状況を改善しようと活動しているのが、SDGs教育に力を入れるオイスカ浜松国際高校の生徒たち。「浜と松プロジェクト」と題し、浜松市の「浜」と「松」の保全活動に取り組み、2022年12月には環境省のコンテストで大賞を受賞しています。
活動の一環として、いま取り組んでいるのが中田島砂丘を守る活動です。生徒たちがバケツリレーで運ぶのは、砂丘に補充するために保管している砂。約400m離れた防潮堤のてっぺんまで運びます。この日は生徒約20人に加え、卒業生なども参加しました。
<バケツリレーの様子>
「よしよし、ファイト!」
バケツに満タンの砂を手に砂丘を歩くのは、いくら若い高校生でもひと苦労。記者も体験してみましたが…。
<山口駿平記者>
「重いですか?結構2つ持つと重いですね。はい、どうぞ。この距離だけで腕パンパンです、もう次来てます」
30分かけて、ようやく運び終わりました。この日はバケツ40杯の砂を自らの手で運びました。生徒たちはこの日の反省をもとに、2月18日にも中田島砂丘の保全活動をする予定です。
<参加した生徒>
「きょうの砂だけじゃ足りないと思いました。すぐに砂利がむき出しになってしまうので、もっと砂を多くやれたらなと思いました」
<オイスカ浜松国際高校 荻哲也教諭>
「率直に生徒たちが頼もしいなと思った。活動するたびに新しい課題に直面するんですけども、そんな時に生徒の若い自由な発想を尊重して、それを取り組みに移せる環境を私たち大人がサポートしていきたい」