早稲田大学のリカレントプログラム「スマートエスイー」が文部科学省の事後評価で最高位Sを獲得

文部科学省が支援する「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)enPiT-Proプログラム※」において、早稲田大学が代表校として実施したリカレントプログラム「スマートエスイー:スマートシステム&サービス技術の産学連携イノベーティブ人材育成」が、中間評価に引き続き事後評価も最高位のS評価を獲得した。どちらもS評価となったのは、採択事業機関の中でスマートエスイーのみ。

スマートエスイーは、早稲田大学を中心とした大学・企業の第一線の教育者・研究者・実務家が、超スマート社会を国際的にリードするイノベーティブ&DX人材を育成するプログラム。2018年より開講している「IoT/AIコース」に加え新たに2022年度「DXコース」を開講し、延べ100人以上の修了生を輩出している。

スマートエスイーの特長は、早稲田大学と連携大学が蓄積した体系的な理論と企業の豊富なケーススタディを用いた実践的な演習で、ビジネスからセンサまでの全領域の体系的な学びを実現。また、社会人の履修しやすさを重視し、全講義でオンライン受講と復習が可能なシステムを構築した。実験のある演習では、オンラインと対面式が選択でき、首都圏以外の受講生も増加している。

「S評価」を受けたポイントについては、構成大学14校、30以上の企業・団体と連携して全国規模にネットワークを構築し、通信・物理からビジネスまで幅広い教育プログラムを開発・提供していること、講師が1対1で「修了制作」を指導し、さらに他講師による公正な審査で学びの質を保証していること、修了生が学会等で発表し社会へ貢献する取り組みを実施していること、JMOOC上で無償オンラインによる講座を提供し、4年間で延べ9万人超が受講登録していることが挙げられられた。

修了生たちは「技術系の知識の学び直しに加え、ビジネス系のスキルが強化できたことにより、修了後は所属企業のマネジメント側へステップアップ。昨年度からスマートエスイー講義のサポートに参加し、スキルアップへつなげています。パイオニア株式会社:田淵大将さん(2019年度修了生)」、「スマートエスイー修了制作での取り組みを発展させ、特許権を取得できました。これまでに自身が培ったコンサルティングの経験とスマートエスイーで学んだ最新技術の知識が結びついた結果です。今後は中小企業のフィールドに対して先端技術を届けていきたいと考えています。堺財経電算合同会社:堺康行さん(2020年度修了生)」と、自身のスキルアップにつなげているようだ。

※enPiT-Proプログラムは、情報科学技術分野を中心とする体系的かつ高度で短期の実践教育プログラムを、産業界・複数大学の協働により開発・実施し、その成果を広く全国に普及させることで、我が国における同分野全体の社会人学び直し機能の強化への貢献を目指す大学院改革の取り組みを支援する文部科学省による取り組み。2016年度に実施されたenPiTプログラムの後継事業として2017年度から開始している。

参考:【早稲田大学 スマートエスイー】文部科学省事後評価 S(最高位)獲得

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