文部科学省が2月10日、卒業式で児童生徒らのマスク着用は「着用しないのが基本」との方針を固めたことに、福井県内の教育現場からは「学校の規模や感染状況にもより、対応は悩ましい」との声が多く聞かれた。
大規模校の中学校長は「生徒同士の間隔を広く取るのも実際は難しく、どう対応すべきか悩んでいる。マスクを外すことに不安を感じる生徒もいる」と明かす。卒業式でのマスク着用を巡る報道を受け、教員の間でもこの話題が持ち上がっているという。一方、ある小学校長は「国が決めたなら着用しない形になるだろう。合唱を除くのであれば現実的に対応可能ではないか」と見通した。
今回の卒業式では、自粛していた在校生の参加を認めたり、卒業生の合唱を再開したりと、県内の学校の一部で対策の緩和を模索する動きもある。県内では県立高が3月上旬、公立小中は同月中旬に式を予定。県教委や市町教委は文科省からの正式な通知を待って対応を判断する考え。
また、文科省が今春の新学期から、学校教育活動全般でマスク着用を求めない方針を固めたことについては慎重な声が聞かれた。小学校長は「ある日から突然マスクなしという対応では子どもも戸惑う。まず『着用は自由』と決めてから、じわじわと外す児童が増えていくのが自然な流れ」とした。
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文部科学省は2月10日、マスク着用の政府新指針に伴い、4月からは学校教育活動ではマスクの着用を求めないことを決めた。合唱や体育の授業、部活動でも原則マスクなしとする。2022年度中は現在の衛生管理マニュアルに応じた感染対策を求め、4月以降の注意事項などは今後、教育委員会や学校現場に周知する。小中高校や大学などの卒業式は22年度中でも、換気などの対策を実施した上で、卒業生や教職員、参加する在校生はマスクを着けないことを基本とする。