自殺願望の人たちから聞いた社会の問題点 書籍「命の防波堤」で伝えたかったこと【東尋坊の現場から】

NPO法人「心に響く文集・編集局」が自費出版した書籍「親愛なる内閣総理大臣さま『命の防波堤』東尋坊から」

 「親愛なる内閣総理大臣さま『命の防波堤』東尋坊から」このタイトルで10冊目の本を自費出版しました。全国の各新聞が取り上げてくださっており、多くの読者から感想文が寄せられてきています。

 この本の出版目的は、日本における自殺の原因について「社会的・構造的」な環境問題について、自殺企図者から直接聴き取った内容を皆さんと共有し「生き心地の良い社会」を創設していただきたいとの願いを込めました。

 私たちは自殺の名所と呼ばれている福井県・東尋坊の水際を18年10か月間にわたり自殺防止のために岩場をパトロールし、自殺企図者を発見・保護して再出発するまでの支援活動を続けています。本書は、これまでに保護した784人(2/6現在)の人から聴き取った問題点をまとめたものであり、自殺を防止するために必要な国の施策について内閣総理大臣さま宛として次の7項目を訴えています。

(1)自殺防止活動は ”人命救助” 活動である。 (2)自殺の背後に ”人権侵害” が山積している。 (3)自殺者は、社会的・構造的な組織犯罪の被害者である。 (4)行政機関は、管轄外に住む国民を “よそ者” 扱いにし冷遇している。 (5)うつ病などの精神障害者を薬漬けにし、自殺しても ”事故” 扱いである。 (6)自殺のハイリスク地における ”安全配慮義務” が忘却され商業主義に走っている。 (7)新興宗教団体の教義で科学的に証明ができない部分は騙しであり、将来の祟りを告げて相手を脅し金品を提供させる行為は恐喝である。この「詐欺・恐喝罪」の犯罪行為を行っている宗教団体については公表し排除すべきでは。 Etc

 そこで、この本書を購読した方から寄せられてきた感想文に「この活動に取り組んでいる方達の強いメンタルに感動した」とか、「この元警察官の姿は警察官の中の鑑だ」とか、「あそこまで他人であるのに自分の身内同様に支援するなんて生きている菩薩様だ」などと私たちにとっては身に余る感想文が寄せられているところであり、ここに感想文の一編をご紹介します。

 新聞記事の写真を見て「何を思って…」と涙が込み上げてきました。

 今、コロナ禍で追い詰められた人たちの自殺が増えていると聞いています。 本当に悲しい事です。

 全ての人がその人らしく。

 頂いた自分の命を喜んで生きていける社会であってほしいと思います。

 死にたいと思うほどの辛さを抱えた方々に心を尽くしてくださっているスタッフの皆様には敬意と感謝の想いを感じました。

 この活動は心身ともに酷使する活動かと思いますがどうかご自愛下されてこれからもお声掛けを続けて下さいますようお願いします。

 ありがとうございます。

 かしこ

 読者である皆様にあっても地域で命のゲートキーパーになって下さることを願います。

⇒東尋坊で活動する「心に響く文集・編集局」ってどんなグループ

本書についての問い合わせは、

  電話兼FAX 0776-81-7835  メール shige024@mx2.fctv.ne.jp    (但し、送料・税込みで1,300円です。)

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 福井県の東尋坊で自殺を図ろうとする人たちを少しでも救おうと活動するNPO法人「心に響く文集・編集局」(茂幸雄代表)によるコラムです。

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