近年居酒屋が急増し、酔客によるトラブルで治安悪化が懸念されている宇都宮市中心部のオリオン通りの現状を関係者で把握し、改善を図ろうと、オリオン通り商店会は10日、「宇都宮中央警察署担当官との意見交換会」を江野町のオリオンACぷらざで初開催した。
同商店会を構成する2商店街組合、所轄の宇都宮中央署、市環境保全課、宇都宮商工会議所から計25人が出席した。
同署からは片山直樹(かたやまなおき)生活安全課長のほか、馬場通り、東武駅の両交番所長らが出席し、2022年のオリオン通り周辺の刑法犯発生状況について説明した。馬場通り交番管内では約140件発生し、このうち粗暴犯は約15件。被害届の受理まで至らない通報などはこの5倍ほどあるという。東武駅交番管内では約80件発生し、うち10件ほどが粗暴犯だった。発生場所はオリオン通りが多く、加害者、被害者双方とも酒に酔っているケースが多かったという。
出席者からは「ガールズバーが大型看板を出して客引きし、街の環境を悪くしている」「深夜に大音量でカラオケを流し、周辺自治会からも苦情が来ている」などの意見が出た。「警察のパトロール頻度を増やしてほしい」との要望や、釜川沿いの治安悪化を指摘する声も上がった。
今後も関係団体などが連携し、治安対策を行っていく方針を確認した。同商店会の長谷川正(はせがわまさ)会長(75)は「意見や悩みを共有する機会となり良かった。今後も安全で安心なオリオン通りを目指して努力していく」と話した。