韓国紙「日本の半導体装置企業が韓国で相次ぎ工場拡張」「競争生き残るため」

日本の半導体製造装置企業が相次いで韓国内での投資を増やしていることが分かった。半導体微細化による技術高度化を受けた動きだ。

(参考記事:韓国紙「中国で日本製半導体製造装置の問い合わせ殺到…輸出規制控え」

韓国経済新聞は9日、日経記事(8日)を引用し、日本の日立ハイテクやKOKUSAIELECTRICらが韓国内の拠点を新設・拡張すると報じた。

KOKUSAIELECTRICは今年韓国の平沢(ピョンテク)工場を拡張する。数十億円を投資してクリーンルームを増設するなど、本格的な開発機能を備える計画だ。コクサイエレクトリックはウェーハをエッチング作業から保護する装置(成膜装置)を作る。サムスン電子とSKハイニックスが主な顧客だ。

日立ハイテクは昨年から今年まで韓国と米国、台湾の3カ国に数百億円を投資し、R&D拠点を新設・拡張する。主要顧客はサムスン電子だ。

これら企業が韓国拠点に力を入れる理由は、サムスン電子など半導体製造企業との距離を狭めるためだ。KOKUSAIの場合、これまで日韓の間を顧客が何度も行き来する方法で開発を進めていたが、コロナ拡散後に韓国側からもっと近くに来てほしいとの要望があったという。日立ハイテクの場合も同様で、敏感な情報を含んでいるウェーハを日本に持ち込むのにも手間がかかったことなどから、韓国現地拠点の強化という判断に繋がったという。

半導体機器メーカーが顧客と密着関係を作るのは巨額を投資するのは半導体の微細化によって技術の難易度がますます高まり、顧客との共同開発環境を整えないと競争で生き残れないという判断も働いているとのこと。

2019年7月に日本が高純度フッ化水素など対韓国半導体素材3品目の輸出規制(輸出管理強化)をとった際、韓国では大きな反発が噴出。当時文在寅政権は日本をWTOに提訴すると共に、これら素材や半導体製造装置の国産化政策を大々的に行った。その後、一部品目に関してはサムスンなどで実用化されているとの報道もあるが、まだまだ日本企業に依存する分野が多いことが伺える。

一方で、対中国半導体輸出規制を強める米国の要請で、日本もこれに加わることが決まったと複数のメディアが報じられるなか、日本の半導体関連企業にも売上減少の影響があると予想される。半導体製造装置大手の東京エレクトロンは9日、2022年10~12月期の中国向けの製造装置の売上高が、7~9月期と比べて39%減少したと発表した。米国の対中輸出規制で中国メーカーの半導体生産が一部で止まり、東京エレクトロンの装置の売り上げも減ったという。

韓国経済新聞の報道をみた韓国のネットユーザーからは以下のようなコメントが投稿されいている。(※ネイバーニュースコメント参照)

「サムスン・SK・日本、みんな頑張れ。中国以外で」
「もっと呼んでほしい。韓国に投資すれば恩恵もたっぷり出すし、日本半導体関連企業は韓国が全て助けると言えばもっと来るはず…」
「…実益もない米国や中国の顔色伺いはもう止めよう。これが韓国の生きる道だ」
「歓迎します。カモーン!」
「日本の半導体の象徴だった東芝が完全に沈没したから日本企業も忙しい…」
「…海外資本は無条件で受け入れる方が有利」
「韓国に雇用創出してくれたありがとう日本」
「積極的に誘致しないと…日本の装備(企業)と同盟を結び超格差実現を」

以上 コリアエコノミクス編集部

(参考記事:韓国紙「米政府が対中規制を拡大…量子・AI・バイオの投資も禁止へ」
(参考記事:韓国紙「日本が欧州で水素タービン市場開拓…23兆円規模」 韓国も国産化進むがリスクも
(参考記事:米フィデリティ、韓国の高純度フッ化水素(12N)メーカーへの投資拡大

(参考記事:米専門紙「台湾TSMCの3ナノ工程、競争力なし」 韓国サムスンに逆転機会か
(参考記事:「半導体企業の効率性…1位は台湾、2位は日本、韓国は4位に陥落」韓国経済研究院
(参考記事:韓国検察、中国に半導体機密流出させた6名摘発 市場規模4500億円超のCMP関連技術

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