デイリタイアの勝田貴元「自分のミス。チームに申し訳ない」/WRC第2戦スウェーデン デイ2後コメント

 2月10日、WRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』デイ2のSS2~8が、スウェーデン北部のウメオを拠点に行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのクレイグ・ブリーン(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に浮上した。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はSS4でステージベストを記録するなど好走を見せていたが、SS5でのクラッシュによって車両にダメージを負い、続くSS6でデイリタイアとなっている。そんな競技2日目を終えた各ドライバーのコメントをお届けする。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合2番手

「結果的には間違いなくかなり満足できている。ここでの事前の予想をはるかに超えている。でも大切なのは、僕たちはもっと速くなれるということだ」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合7番手

「最初のブレーキングポイントでジャンクション(分岐)を過ぎてしまった。残念ながらそんな感じだ。それからはそれほど悪くはなかった。自分たちの進歩には満足できると思うよ」

※ともにSS8直後の公式インタビューより

オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合6番手

「とてもチャレンジングな1日だった。出走順が早かったので、道路のコンディションが良くないことはわかっていたが、それでも希望は持っていた。このコンディションのうえに、午前と午後に2回バンパーを失うというひどい不運に見舞われたので、それがハンデとなってしまったね」

「カッレ(・ロバンペラ)から5秒遅れで1日を始め、5.7秒遅れで終えた。物事を好転させたいと思っていたが、エアロパーツが足りなかったのでダメージを最小限に抑える必要があった。明日の出走順はよくなるが、先頭集団のクルーたちが後ろに控えているから、また新たなチャレンジになる。とにかく最善を尽くすよ」

●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合3番手

「今日はそれほど悪くはなかったが、これからまだ先があると思う。午前中にはかなり満足できた。望む順位につけることができたと思っていた。上の順位にいることはいつだっていいものだし、スタートは手堅いものだった」

「イベントに向けた準備はうまくいった。このコンディションを気に入っているよ。2回目の走行ではもっとよいセットアップができたはずだと思うが、期待どおりにはいかなかった。どのような変更を加えるかについては、一晩考えることになるだろう」

「とくに今はフィーリングを掴んでいるので、極端過ぎることはしたくない。さもなければ間違いを犯すリスクがあるだろう。ペースをさらに改善しようとしているので、小さなことでも完璧にすべきことがある」

●クレイグ・ブリーン(#42 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合首位

「今日のように物事がうまくいくとは想像しづらいものだ。もちろん出走順は有利だったけれど、クルマも優れていた。その両方からアドバンテージを引き出そうとした」

「夜通しでラリーをリードするのはちょっとした夢のようだ。コクピットはとても快適で、ソフトで居心地がよかった。今のところは満足しているが、まだやらなければならないことがたくさんある。必要なピークに達しているとはまだ感じていないんだ」

「終わりには程遠い。明日は長い1日になる。今日のことでわかったが、(ライバルと)大きな違いを生み出すことは難しい。全力を尽くしていくし、何が起ころうとも挑戦することはやめない。このラリーは狂った帽子屋(マッドハッター)のお茶会のようなものだ。誰もが招待されているよ!」

クレイグ・ブリーン(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合5番手

「今朝は驚くほど良い路面コンディションだった。最初のステージは雪が柔らかく滑りやすかったので、予想どおりかなりタイムを失ってしまった。しかし、その後コンディションが良くなるとタイムも良くなっていったので、午前中はそれほど大きくタイムを失わなかった」

「しかし、午後のループの最初のステージは、非常に深い轍が刻まれていて、滑りやすい雪も多くあったため、自分がこれまで経験してきた中でもっとも難しいスノーステージだった。そのためかなりタイムロスしてしまったが、とにかくミスなくクリーンに走り、道から外れないように努めた」

「それでも、プッシュできるコンディションではライバルに比べてかなり速かったので、明日の自分の出走順ならば、もっと速く走れると確信している」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合4番手

「午前中はクルマのバランスに苦しみ、自信を持つこともできなかったため、調子が良くなかった。しかし、昼のサービスでクルマのセットアップを少し変更したところ、午後はフィーリングが改善された。だから、午後のステージに関しては全体的に満足しているが、それでもまだ自分たちが望む状況には達していないので、今後も全力を尽くして臨むつもりだ」

「ステージはとてもテクニカルでミスをしやすい。だから、まだまだ何が起きるか分からない。とにかく戦い続け、明日は順位を上げていきたいと思ってる」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア

「今朝はクルマのフィーリングが非常に良く、とても楽に走ることができていました。それほどプッシュしていなかったにも関わらずフィーリングは良く、タイムも出ていたので、とてもハッピーでした。午後は、限界まで攻めることなく高いスピードを保とうとしたのですが、路面には滑りやすい雪が多く、深い轍も刻まれている非常に難しいコンディションでした」

「SS5のフィニッシュ近くの高速コーナーで、轍のために充分にスピードを落とすことができず、クルマの向きも完全には変えることができなかったため、コーナリングラインが膨らんでしまい、スノーバンクに激突してしまいました」

「完全に自分のミスですし、チームに本当に申し訳ないことをしてしまいました。今朝はとても良いスタートを切っていただけに残念です。明日、再出走して良いフィーリングを取り戻せることを願っています」

勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

© 株式会社三栄