初優勝は2008年。トロロッソ&アルファタウリのF1車両遍歴【F1チーム別歴代マシンギャラリー】

 スクーデリア・アルファタウリは、日本時間2月12日(日)の7時30分よりアメリカ・ニューヨークで2023年型F1マシン『AT04』のカラーリングを披露する。

 レッドブルがミナルディを買収して以降、スクーデリア・トロロッソとして参戦してきた同チームは、2020年シーズンよりレッドブルのファッションブランドの名を冠し『スクーデリア・アルファタウリ』としてF1参戦を続けている。ここでは、トロロッソ&アルファタウリの過去17台のマシンたちを振り返る。

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トロロッソが2006年に投入した『STR1』

 2006年より2.4リッターV8エンジン規定となったが、トロロッソは回転数制限と吸気制限が施されたコスワース製3リッターV10エンジンを搭載。そのためSTR1は“最後のV10エンジンF1マシン”として記録されている。ドライバーは、ビタントニオ・リウッツィと、スコット・スピード。第10戦アメリカGPでリウッツィが8位に入り、1ポイントを獲得。これが参戦初年度唯一の入賞となった。

トロロッソが2007年に投入した『STR2』

 ドライバーは昨年から継続も、第10戦ヨーロッパGPをもってスピードが解雇され、翌ハンガリーGPよりセバスチャン・ベッテルがレギュラードライバーに昇格。フェラーリのV8をを搭載した『STR2』は入賞2回にとどまるも、ホンダの低迷、スパイゲート事件に伴うマクラーレンのコンストラクターズポイント剥奪により、コンストラクターズ7位に浮上した。

トロロッソが2008年に投入した『STR3』

 2008年は第5戦トルコまで昨年の改良型『STR2B』で戦い、第6戦モナコでデビューした『STR3』。フルウエットとなった第14戦イタリアGPでベッテルがポール・トゥ・ウインを飾り、モンツァに激震が走った。この勝利により、兄弟チーム・レッドブルよりも10ポイント多い、コンストラクターズ6位となった。なお、写真は同年のヘレステストに参加した佐藤琢磨。

トロロッソが2009年に投入した『STR4』

 大規模なレギュレーション変更が実施された2009年。ドライバーは前年からセバスチャン・ブルデーが継続し、ベッテルに代わってセバスチャン・ブエミが加入。しかし、ブルデーは途中解雇となり、当時19歳のハイメ・アルグエルスアリがデビュー。ただ、『STR4』はパフォーマンスに悩み、コンストラクターズ10位に転落。

トロロッソが2010年に投入した『STR5』

 コンコルド協定に伴い、この年からトロロッソは完全自社製マシンを投入。その第1号となった『STR5』は7回の入賞を果たすも、コンストラクターズ9位に沈んだ。

トロロッソが2011年に投入した『STR6』

 最高位は7位も、両ドライバー計14回と、コンスタントに入賞を果たした『STR6』。ウイリアムズの低迷もあり、コンストラクターズ8位に浮上する。

トロロッソが2012年に投入した『STR7』

 2012年はダニエル・リカルドとジャン-エリック・ベルニュへとドライバーを一新。第2戦以降、9戦連続でノーポイントが続く事態となったが、シーズン後半は計8回の入賞を果たし、コンストラクターズ9位。

トロロッソが2013年に投入した『STR8』

 前年『STR7』の発展型となった『STR8』。この年の入賞は10回とほぼ昨年の横ばいとなるも、ウイリアムズが不振だったこともあり、2年ぶりにコンストラクターズ8位を掴んだ。

トロロッソが2014年に投入した『STR9』

 特徴的なノーズが印象に残る『STR9』。トロロッソはパワーユニット時代到来に伴いルノーPUにスイッチ。コンスタントにポイントを獲得するも、コンストラクターズ6位のフォースインディアから125ポイント離されランキング7位に留まる。なお、この年よりレッドブルに移籍したリカルドに代わり、ダニール・クビアトが加入している。

トロロッソが2015年に投入した『STR10』

 2015年、ドライバーが一新され、当時17歳のマックス・フェルスタッペンとカルロス・サインツが加入。フェルスタッペンが2度4位に入る活躍を見せるも、コンストラクターズは7位。

トロロッソが2016年に投入した『STR11』

 この年よりフェラーリPUにスイッチ。ドライバー体制もフェルスタッペンとサインツが継続となったが、第5戦スペインGPよりフェルスタッペンとトレードするかたちでクビアトが再加入。『STR11』は前半好走を見せるも、シーズン後半に伸び悩み、3年連続のコンストラクターズ7位に終わった。

トロロッソが2017年に投入した『STR12』

 ふたたびルノーPUを搭載した2017年。これまでとは異なるブルーとシルバーにレッドのアクセントを取り入れたマシンカラーリングに刷新。サインツが好調を見せる一方、クビアトは成績が伸び悩み、後半5戦でピエール・ガスリーにシートを奪われる。また、アメリカGPよりサインツがルノーに移籍したことから、4戦でブレンドン・ハートレーが搭乗している。コンストラクターズは4年連続の7位となった。

トロロッソが2018年に投入した『STR13』

 ホンダPU搭載初年度は、前年終盤に出走したガスリーとハートレーがレギュラードライバーに起用された。第2戦バーレーンGPでガスリーが4位入賞も、両ドライバー合わせて入賞8回に留まり、コンストラクターズ9位に後退。

トロロッソが2019年に投入した『STR14』

 クビアトとアレクサンダー・アルボンという布陣で挑むも、第13戦ベルギーGPよりアルボンがレッドブルに昇格。ガスリーがふたたびトロロッソに加入することに。雨の第11戦ドイツGPではクビアトが3位、そして第20戦ブラジルGPではガスリーが2位とシーズン中2度の表彰台を獲得。コンストラクターズは過去最高位タイの6位となり、14年に及んだスクーデリア・トロロッソとしての挑戦を終えた。

アルファタウリが2020年に投入した『AT01』

 スクーデリア・アルファタウリへとチーム名を変更。大荒れの第8戦イタリアGPではガスリーがF1初優勝を飾った。コンストラクターズは7位に後退するも、トロロッソ時代を含め、初めて年間獲得ポイントが100を超えた(107ポイント)。

アルファタウリが2021年に投入した『AT02』

 ガスリーが残留し、チームメイトとして角田裕毅がF1デビュー。第6戦アゼルバイジャンGPではガスリーが3位表彰台を獲得。ガスリーは22戦中15戦で入賞と安定。角田も7度入賞し、チームのコンストラクターズ6位獲得を支えた。

アルファタウリが2022年に投入した『AT03』

 技術レギュレーションが大きく変化した2022年シーズン。昨年からの飛躍も期待されたが、入賞はガスリーが6回、角田が4回。コンストラクターズも9位に後退する。同年をもってガスリーがアルピーヌへ移籍。代わりに2023年はニック・デ・フリースが角田のチームメイトとなる。

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