新型コロナワクチン関連委託で過大請求11億円弱 パソナ、下請けを告訴へ

人材派遣大手のパソナ(東京)は10日、大阪府の枚方市と吹田市、兵庫県西宮市から受託した新型コロナウイルスのワクチン接種に関するコールセンター業務で、計10億8000万円もの過大請求が発覚したと発表した。再委託先のエテル(大阪)による不正だとしている。

孫請けが不正と発表 告訴へ

 同社の発表によると、一部業務再委託先のエテルが作業人員を水増しするなどの虚偽報告を行なっていたという。昨年11月に枚方市が、ワクチン予約完了数に対し、同日に報告された電話対応完了報告の数が多すぎることに気付いてパソナに指摘。パソナがエテルの設置しているコールセンターを調べたところ、契約で求められるオペレーターの数に対して実動数が軒並み著しく低く、契約期間中の平均で見ても3市での業務においてすべて5割〜7割程度となっていた。

過大請求額は、枚方市が約3億6000万、吹田市が約2億7000万円、西宮市が約4億5000万円。パソナは3市に対し全額を返還する方針で、不正を行ったエテルに対しては損害賠償請求と刑事告訴も検討している。同社広報は「再委託先の管理が行き届いておらずおわびする」とコメントしている。

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