【旧統一教会と地方政治】神奈川全首長アンケート 相模原など5市長が教団側と接点 イベント出席や祝電、会費支出

旧統一教会や関連団体と接点があった県内首長

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との関係を巡り、県内で相模原、横須賀、藤沢、小田原、南足柄の5市長が教団側と接点があったことが11日、神奈川新聞社が知事と県内33市町村長に実施したアンケートで分かった。教団や関連団体のイベントへの出席や祝電の送付といった関わりで、うち4人は保守系だった。いずれも関係を見直す姿勢を示しているものの、今後も市民への説明責任は問われそうだ。

 5市長は、寄付や政治資金パーティー券の購入、選挙支援、条例案提出の働きかけは「ない」とし、教団側との関係については「見直した・見直す」と答えた。

 相模原、小田原、南足柄の3市長に関しては、これまで議会や会見で公表していなかった接点があったことも判明した。相模原市の本村賢太郎市長は、2018年12月に市内の教会で開かれた教団のクリスマス礼拝に出席。19年12月には同礼拝や座間市で開かれた行事に祝電を送付していた。

 小田原市の守屋輝彦市長は「チャリティーコンサートに出席」とし、コンサートの会費を「2千円程度」支出したと回答した。南足柄市の加藤修平市長は18年12月に関連団体が主催したクリスマスイベントに出席した。

 横須賀市の上地克明市長と藤沢市の鈴木恒夫市長は既に明らかにしていたケースを回答。上地市長は21年5月に教団の教会が主催した講演会に市長名のメッセージを送付。鈴木市長は16、17年に関連団体の自転車イベント「ピースロード」で市長名のメッセージを同市幹部が代読した。両市長は公務と位置付けている。

 今後について、本村市長は「確認不足を反省し、参加や祝電などの対応はしない」と回答。他の市長も「今後は一切の関係を持たない」「特別な対応はしない」などとした。

 アンケート結果について神奈川大の大川千寿教授(政治過程論)は「神奈川も例外ではなく、教団側が政治の世界にアプローチし、一定の関わりがあったことがうかがえる」と指摘。旧民主党系の相模原市長を除き、市長選時の自民党推薦や同党県議を務めた経緯がある保守系首長が占めたことについては「国政で見ても自民党との関係が如実に出ている。家庭を巡る主張など政策的な近さが反映されていると考えられる」と話した。

 ◆アンケートの方法 アンケートは世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や関連団体と地方政治の関係を明らかにする目的で、知事と県内市町村長に昨年11~12月に配布した。12月に新町長に代わった大磯町は前町長も対象とし、11月に就任した中井町長は前職の町議時代について尋ねた。対象は計35人で、全員から回答を得た。

 質問は計13問で、教団側との関係について、寄付や選挙時の支援、会合出席や祝電送付の有無などを尋ねた。関連団体は教団が「友好団体」と説明している団体や、全国霊感商法対策弁護士連絡会のリストなどを参考に例示した。

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