庭の夏ミカン提供を 葉山で町民有志が収穫手伝い飲食店に

葉山産の夏ミカンを手にする斎藤さん(右端)、高木さん(右から2人目)ら「葉山夏みかんプロジェクト」のメンバー=葉山町(同プロジェクト提供)

 手付かずになっている庭の夏ミカンの収穫を手伝い、飲食店などで有効活用しようという活動が葉山町で広がっている。町民有志による「葉山夏みかんプロジェクト」。メンバーは「葉山の歴史をつなぐためにもぜひ協力して」と広く提供を呼びかけている。

 葉山町では、1959年の上皇ご夫妻のご成婚記念で町などが夏ミカンの苗木を町民に配った。このため多くの住宅で夏ミカンが植えられているが、歳月の経過とともに、収穫しなかったり、伐採されたりするケースも。放置しておくと有害鳥獣のカラスやタイワンリスの餌になり、被害の拡大につながる。

 「もったいない。料理に活用できないか」と集まったのがイタリア料理研究家の高木奈美さん、フードセラピストの斎藤由美さんら40~50代の女性4人。2021年12月に町の広報紙で提供を求めた。連絡のあった10軒で収穫を手伝い、約150キロを確保した。

 集まった夏ミカンは、「葉山夏みかんステーション」として協力してくれる町内の飲食店20店で希望者に無料で配布している。一部の店では夏ミカンを使ったケーキやピザ、パンナコッタなどを考案し、メニューに加えている。

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