犯罪被害者、遺族に見舞金給付 今春から県、申請手続き支援も

岡山県庁

 岡山県は今春から、殺人や傷害事件などの犯罪に巻き込まれた被害者らへの見舞金給付や、申請手続きの支援に乗り出す。国の救済制度はあるものの、申請から適用まで一定の時間を要することなどから、当面必要なお金を迅速に支給し、生活の立て直しを後押しする。

 県によると、被害者、遺族は通院や葬儀に加え、休職や転居を余儀なくされるなど急な負担増を強いられるケースが少なくない。国の給付金制度は支給まで半年以上かかる上、県内市町村の制度は自治体間で金額や条件にばらつきがあるため、公平性の観点から支給する。

 犯罪で命を落とした人の遺族や治療に1カ月以上かかるけがを負った人が対象で、支給額は遺族60万円、負傷者20万円。1、2カ月での支給を目指す。親族間の犯罪は対象外。

 合わせて、見舞金の申請手続きの相談対応をはじめ、カウンセリングや弁護士の紹介など被害直後に必要なサポートも手がける。

 関連経費379万円を2023年度の当初予算要求に計上した。県くらし安全安心課は「犯罪被害者が適切な支援を受け、一日も早く日常生活を取り戻すための体制をつくりたい」としている。

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