アルファタウリF1『AT04』:ほぼ全エリアで大幅に進化「ダウンフォース不足と重量過多に対処」とテクニカルディレクター

 スクーデリア・アルファタウリのテクニカルディレクター、ジョディ・エギントンが、2023年型F1マシンのカラーリング発表会に際し、『AT04』について説明し、2022年型の弱点に対処し、ほぼすべての部分で進化を成し遂げたと語った。

 チームは2月11日、ニューヨークでニューマシンのカラーリングを発表、実車はまだ披露していないが、エギントンは、『AT04』について、「ほぼすべてのエリアで昨年型AT03から強力な進化を遂げている」と語った。「空力開発においてベストの基盤を作るため、パッケージングに重点を置いた」

「AT03の開発過程で多くのことを学び、その多くがAT04のレイアウトに反映され、昨年型で特定した弱点のいくつかに対処した。簡単に言うと、我々はメインのライバルたちよりダウンフォースが少し足りなかった。さらに、今年は重量を減らすチャンスもあった」

スクーデリア・アルファタウリの2023年型F1マシン『AT04』のカラーリング(フロント)

 アルファタウリは、2022年にコンストラクターズ選手権9位と低迷した。ランキングが下がった分、多数のライバルたちよりも多くの空力テストを行うことが認められる。エギントンは、多くの空力テストを認められるより、ランキングを上位で終えられた方がよかったと述べる一方で、この条件を最大限に活用してライバルたちに追いつきたいと述べた。

「もちろん、空力テストの回数が増えれば、開発を進めるチャンスが増えることになる。しかしテストの回数に関係なく、時間をうまく、効率的に使う必要がある。実験の質が重要な要素になってくる。利用可能な時間を最大限に活用することが大事なのだ。そういう意味で、すべてをできる限り効率的に活用しなければならないという状況に変わりはないものの、ライバルたちに追いつく必要がある状況では、こういう有利な条件があることは役立つだろう」

スクーデリア・アルファタウリの2023年型F1マシン『AT04』のカラーリング(右サイド)

 アルファタウリは、引き続き利用可能なレッドブル・テクノロジーのパーツを使い続けると、エギントンは語った。

「シナジー・プログラムは例年とほぼ同じベースで継続される。我々にとって非常に有益なものなので、同じ道を歩んでいく。昨年と同じ仕様のパーツもあれば、仕様を変更したパーツもあるが、レッドブルから調達するパーツの総合的な範囲はほとんど同じだ。何を使うかは、毎年戦略的に判断していく。しかし全体としては、昨年とほぼ同じ状況だ」

 パワーユニット(PU)は、ホンダ・レーシングのサポートの下でレッドブル・パワートレインズが供給するものを使用する。

「ホンダやレッドブル・パワートレインズとの話し合いや仕事上の関係は引き続き非常に良好で、移行はスムーズに行われている」とエギントン。「段階的な変更はなく、我々に提供されるサービスや、彼らが我々のために行っていることの範囲は変わっていない」

 アルファタウリは、『AT04』のシェイクダウンを、2月14日にイタリア・ミサノで行う見通しとなっている。

2023年用レーシングスーツを着用したニック・デ・フリースと角田裕毅(アルファタウリ)

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