アルファタウリF1のシートを掴んだデ・フリース「様々な選手権に参戦する機会があったので、その経験が役に立つ」

 現地時間2月11日(日本時間12日)、スクーデリア・アルファタウリは2023年型マシン『AT04』のカラーリングを発表した。2023年よりアルファタウリの一員になったニック・デ・フリースは、これまで他の選手権で戦ってきた経験がここで役に立つだろうと語った。

 デ・フリースは2022年のF1第16戦イタリアGPにおいて、アレクサンダー・アルボンの代役として、ウイリアムズからF1デビューを果たした。このレースで9位に入賞したことで、デ・フリースの状況は一変したという。モンツァでの活躍がアルファタウリとの契約に大きく影響したと、チーム代表のフランツ・トストも明かしている。

 ニューヨークで行われたAT04のカラーリング発表に参加したデ・フリースは、ブランドを代表する機会は特別なものだったとプレスリリースにコメントを寄せた。

「スクーデリア・アルファタウリのドライバーとして、僕の最初のイベントに参加することができてとても楽しかった。ニューヨーク・ファッション・ウィークでこのブランドを代表する機会を得たことは僕にとって非常に特別なことで、このブランドがどのようなものであるかを僕に教えてくれた」

「カラーリングは素晴らしいし、洗練されたA/W(秋冬)コレクションからインスピレーションを受けたのがわかる。トラックでマシンを見るのが楽しみだ」

スクーデリア・アルファタウリの2023年型F1マシン『AT04』のカラーリング(ニック・デ・フリース車)

 デ・フリースはモンツァでF1デビューを飾る前に、メルセデス、ウイリアムズ、アストンマーティンからFP1に参加した経験がある。さらにはフォーミュラEでタイトルも獲得しているが、それでもルーキーとしてF1にフル参戦することにはプレッシャーを感じているという。

「当然常にプレッシャーがある。でもそれは、集中し、スイッチを入れるために必要なことだと思う」

「僕はまだルーキーだと言っていいだろう。もちろん違うマシンをドライブした恩恵はあるけれど、それは走行時間によるものではないと思う。実際のところ、時間は非常に限られていたからね。3回のルーキーテスト(メルセデスで2回、スクーデリア・アルファタウリで1回)を除けば、まともなテストはしていない。FP1は、グランプリの週末にコースに出る素晴らしい機会、経験だった。非常に時間が限られているので、1日中テストしているときとはまったく違うプレッシャーがある」

「異なる環境で、異なるチームと仕事をした経験には、大きな価値があるだろうけれど、純粋にサーキットやレースでの経験という点では、今年の他のルーキーたちよりも少ないと思う。でも僕は(他のドライバーよりも)少し年上で、様々な選手権に参戦する機会があったので、ある程度の経験はあるし、そのことがいくらか役に立つ」

 アルファタウリに加入して以降、デ・フリースができるだけ早くチームに溶け込めるようにと全員ができる限りのことをしてくれたという。ドバイで行った2週間半のトレーニングキャンプでは、日程の関係上チームメイトの角田裕毅とはそれほど会わなかったというが、チームを強くするためには角田と協力することが必要だとデ・フリースは述べた。

「僕と裕毅はスケジュールが別だったので、それほど顔を合わせることはなかった。でも僕たちは以前から少しお互いのことを知っている。実際に同じレースに一緒に出たのは、昨年のモンツァくらいだけどね!」

「裕毅はとても才能があって速いドライバーだと思うし、当然今はF1での経験もある。僕には少し違う種類の経験がある。最終的には、僕たちの仕事上の関係がみんなを前進させるために役立つと確信している。そのことに疑いはない」

ニック・デ・フリース&角田裕毅(アルファタウリ)

 デ・フリースは今年、20人のドライバーのなかでふたり目のオランダ人ドライバーとなる。すでにマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がオランダのファンから大きな指示を集めているが、デ・フリースは自分なりのやり方で戦っていくと語った。

「もちろん、マックスはF1で信じられないような素晴らしい結果を残している。彼は今このスポーツを支配していて、当然、国全体が彼を応援している。オランダ人はF1にとても興奮しているんだ」

「僕はこれからF1の旅を始める。マックスがチャンピオンシップのために戦いを続ける一方で、僕も僕なりのやり方で足跡を残していくつもりだ」

スクーデリア・アルファタウリの2023年型マシン『AT04』のカラーリング
スクーデリア・アルファタウリの2023年型マシン『AT04』のカラーリング

© 株式会社三栄